植被率を利用した水稲群落の生育量の評価

タイトル 植被率を利用した水稲群落の生育量の評価
担当機関 北陸農業試験場
研究期間 2000~2002
研究担当者
発行年度 2000
要約 水稲群落の植被率は,葉面積指数および窒素吸収量と密接に関連するので,移植,散播直播水稲における生育量のバラツキを面的に評価する指標として利用できる。
背景・ねらい 水田内の地力ムラや直播栽培における苗立密度のムラは,大区画水田における生育ムラの原因となる。しかし,生育量のバラツキを面的に評価するためには,多大な労力を必要とする。一方,植被率を水稲群落の生育量を評価する有効な手法ととらえ,それを圃場内で位置情報を付加しながら連続的に計測するシステム(「水稲群落の植被率連続測定システム」平成12年度成果情報候補)が開発された。そこで,基肥窒素量や播種量を異にして人為的に生育量を変えた水稲群落において,上記システムにより計測された植被率と生育量との関係を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 植被率の増加程度は,基肥窒素量や播種量が多いほど大きい(図1)。
  2. 移植,散播直播水稲のいずれにおいても,葉面積指数や㎡当たりの窒素吸収量は植被率と密接に関連し(図2),植被率の増加に対して指数的に増加する。
  3. 植被率と葉面積指数ならびに窒素吸収量との相関関係を計測日毎にみてみると(表1),移植水稲では葉面積指数,窒素吸収量ともに7月10日までは高い相関関係が認められた。一方,散播直播水稲では,7月10日ないし7月5日までは高い相関が認められた。したがって,この結果と図2に示す関係図から判断して,少なくとも移植水稲では植被率80%程度まで,散播直播水稲では植被率80~90%程度までは,植被率による葉面積指数や窒素吸収量の評価が可能と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 植被率を連続的に計測することにより,葉面積指数や窒素吸収量等の水稲生育量の面的バラツキを非破壊的に簡易に評価することができる。
  2. 植被率を利用した生育量推定の有効期間等に関しては,データを蓄積し年次変動について検討する必要がある。
  3. この成果は,基肥のみを施用した水稲群落で得られたデータに基づいている。
図表1 214461-1.JPG
図表2 214461-2.JPG
図表3 214461-3.JPG
カテゴリ 直播栽培 水田 水稲 播種

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