タイトル |
高品質あずき優良品種候補系統「十育144号」の選定と栽培特性 |
担当機関 |
新潟県農業総合研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
あずき「十育144号」は成熟期が早生の晩で、ウイルス病の発生が少なく、種皮色は高温登熟下でも赤味が強く明るく、練りあんなどの加工適性に優れる。また、適正な播種期と栽植密度により品質及び収量が安定する。
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背景・ねらい |
新潟県のあずき栽培面積は約540haで主に自家利用されている。作付けの多い在来種はウイルス病や倒伏のため収量・品質が不安定で、現在の優良品種「ベニダイナゴン」は高温登熟下での種皮色の暗色化が問題であり、作付けが伸びない。そこで、高品質で加工適性の高い優良系統を選定し、その栽培特性を明らかにし、笹団子やあん加工等の地場産品の産地育成を 図る。
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成果の内容・特徴 |
- 「十育144号」は北海道立十勝農業試験場(小豆指定試験地)の育成系統である。
- 百粒重は「ベニダイナゴン」並からやや小さく、種皮色は赤味が強く明るく、外観品質に優れる(表1、表2)。
- 成熟期は「ベニダイナゴン」より5日程度遅く、7月上旬播種では10月上~下旬である(表1、表2)。
- 主茎長は「ベニダイナゴン」よりやや長く、倒伏抵抗性は「ベニダイナゴン」よりやや弱い中、収量は「ベニダイナゴン」並である。ウイルス病抵抗性はやや強(岩手県農業研究センター検定)で、本県での発生は微である(表1、表2)。
- あんの加工適性は良く、商品性に優れる(表3)。
- 平坦地は播種期を7月上旬、㎡当たり栽植密度を16.6株程度とし、山間高冷地では播種期を6月下旬~7月上旬、㎡当たり栽植密度を12.8株程度とすることにより百粒重が15g以上で種皮色が「赤から淡赤」の高品質と安定した収量が得られる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- ウイルス病抵抗性はやや強であるが、種子の更新とアブラムシ防除を徹底する。
- アズキノメイガ、マメノメイガの防除を徹底する。
- あずきは大豆より耐湿性が劣るので排水の徹底を図る。
- 転換畑、肥沃地では生育量が大きくなりやすいので、播種期を遅めとし、開花期までに2回の培土を確実に実施する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
あずき
加工
加工適性
耐湿性
大豆
抵抗性
播種
品種
防除
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