Alternaria alternataによるセイヨウナシ黒斑病

タイトル Alternaria alternataによるセイヨウナシ黒斑病
担当機関 新潟県農業総合研究所
研究期間 1996~1999
研究担当者
発行年度 2000
要約 新潟県内の西洋ナシ品種「ル レクチエ」に発生する腐敗芽および黒変葉は、Alternaria alternata によって引き起こされる病害である。同菌による西洋ナシの病害は、本件が初めてであることから、本病をセイヨウナシ黒斑病と呼称する。
背景・ねらい 平成4年頃から新潟県の西洋ナシ栽培産地で、品種「ル レクチエ」の葉に黒変症状が発生し、著しい場合には,早期落葉を起こし生産性を低下させる。そこで発生原因を解明し、防除対策に資する。
成果の内容・特徴
  1. 葉の病徴は、最初褐色~黒色の不整形斑点を生じる。やがて病斑は拡大し、発病程度の激しいものは落葉する(図1)。黒変葉は、5月頃に果叢葉で見られはじめ、その後8月~9月に果叢葉及び新梢葉で急増する(図2)。
  2. 芽の病徴は、花芽および葉芽が褐変~黒変し、程度の激しい場合腐敗する。そのため花
     芽および葉芽は,不発芽で発芽しても奇形を呈する(図1)。
  3. 腐敗芽と黒変葉の発生には,高い正の相関が見られる(図3)。
  4. 腐敗芽および黒変葉から分離した、Alternaria属菌の分生胞子を無傷接種した結果、いずれも「ル レクチエ」葉に病徴を再現し、病斑部から接種菌と同一の菌が再分離される。また日本ナシ品種「二十世紀」には、病原性はない(表1)。
  5. 病斑部から分離した菌は、分生胞子の形態等から、Alternaria alternata(Fr)Keisserと同定される(表2)。
  6. 以上から新潟県内で発生した,西洋ナシ品種「ル レクチエ」の腐敗芽および黒変葉の原因は、Alternaria alternata(Fr)Keisserによる病害である。本病をセイヨウナシ黒斑病と呼称する。
成果の活用面・留意点
  1. 西洋ナシ品種「ル レクチエ」の腐敗芽および黒斑葉の原因が明らかになったことから、今後病原菌の伝染環を解明することで適切な防除技術の開発が可能となる。
  2. 他品種での発生は不明である。
図表1 214470-1.JPG
図表2 214470-2.JPG
図表3 214470-3.JPG
図表4 214470-4.JPG
図表5 214470-5.jpg
カテゴリ 病害虫 西洋なし 日本なし 品種 防除

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