タイトル |
施設の蒸し込みによるミカンキイロアザミウマの省力的防除技術 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センタ- |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
半促成きゅうり+抑制トマトの作型において、前作の終了後根部を抜き、トマトの定植前に施設の入り口及びハウスサイドの換気口を遮蔽し、5日~10日間蒸し込みをすることによりミカンキイロアザミウマの密度が低下し、白ぶくれ果の発生を抑制できる。
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背景・ねらい |
本県のトマト産地では、近年、ミカンキイロアザミウマによる白ぶくれ果が発生し、商品価値が著しく低下して大きな問題になっている。 しかし、ミカンキイロアザミウマは、薬剤の効果が十分ではないことや花の中に潜り込んで薬剤がかかりにくいことから、防除回数が多くなっているのが現状である。 そこで、薬剤による防除回数をできるだけ減らし、省力的な防除技術を確立するため、施設の蒸し込みによる防除効果等について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 蒸し込み期間中の施設内の日最高気温は、無処理区に比べ4~30℃高くなり、40℃を越える日が多い。
特に晴天日では、曇・雨天日よりも蒸し込みの有無による温度差が大きくなり、蒸し込み施設内の温度は60℃を越える日がある(図1)。
- 青色粘着トラップを用いて、施設内におけるミカンキイロアザミウマの誘殺数を調査した結果、蒸し込み3~5日後には、蒸し込み区の誘殺数が無処理区の約10~20%に減少し、さらに蒸し込み9~10日後には約1%まで減少する(図2)。
- 蒸し込み終了後は、本種の施設外からの侵入・増殖等により、蒸し込みによる効果(生息密 度の低下)が次第に打ち消されていくが、蒸し込みを10日間実施することにより、毎年白ぶくれ果の発生が多い第1段花房の被害果発生率が約半分に減少する(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ミカンキイロアザミウマ防除において、減農薬及び省力化・コスト低減の効果が期待できる。
- 蒸し込みによる効果の持続性は比較的短いことから、他の防除法を総合的に組み合わせることにより、白ぶくれ果の発生を抑制する。
- 施設周辺の露地作物や雑草地等におけるミカンキイロアザミウマの防除を実施し、施設内の侵入防止を図る。
- 栽培上の問題点として、従来より半促成きゅうりの収穫を早めに打ち切るか、トマトの定植を遅らせる必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
きゅうり
栽培技術
雑草
省力化
低コスト
トマト
農薬
防除
薬剤
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