タイトル |
おとり作物と卵寄生蜂を用いたスイートコーン害虫アワノメイガの防除 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
アワノメイガの産卵を誘引して天敵卵寄生蜂アワノメイガタマゴバチの増殖場所として機能する早植のスィートコーンをおとり作物とし、卵寄生蜂の放飼防除効果を安定させる防除法は慣行薬剤防除とほぼ同等か優れている。
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背景・ねらい |
スィートコーンを食害するアワノメイガに対する防除手段として、天敵の卵寄生蜂アワノメイガタマゴバチの放飼が有力視されている。本卵寄生蜂の放飼時期はアワノメイガの産卵初期に行う必要がある。しかし、圃場における発生時期をとらえることは困難なため防除効果は不安定な状況にあった。そこで、アワノメイガの産卵を誘引し、放飼した卵寄生蜂の増殖場所となる早植スィートコーンをおとり作物として導入することにより、本作におけるアワノメイガの発生前から卵寄生蜂の密度を高める防除法の効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 卵寄生蜂の安定的な増殖場所となるよう定植時期を1か月程度早めた早植スィートコーンをおとり作物とし、アワノメイガの産卵を誘引する。このおとり作物に対して卵寄生蜂を1回放飼することにより、本作への持続的な卵寄生蜂供給を図る。おとり作物と本作の面積比率はおとり作物1に対し本作1~2とする。
- おとり作物の早植スィートコーンは、本作と比較して早くからアワノメイガの産卵が認められている。特に、本作の雄穂抽出期までは、早植スィートコーンへの産卵が多くおとり作物として機能している(図1)。
- おとり作物に卵寄生蜂を放飼することにより、本作における寄生卵塊率の上昇時期を1週間程度早めることができる(図2)。
- 本作における食害雌穂率は20%以下に抑制され、慣行薬剤防除とほぼ同等か優れている(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 将来、アワノメイガタマゴバチの農薬登録がなされた場合、使用方法の参考となる。
- オオタバコガ等の他の害虫が発生する場合は、薬剤防除等の対策を講ずる必要がある。
- おとり作物スィートコーンに対する安定的な被害軽減対策を確立する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
あわ
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栽培技術
農薬
防除
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