乗用管理機を活用して飛躍的に省力できる水田転換畑のネギ栽培

タイトル 乗用管理機を活用して飛躍的に省力できる水田転換畑のネギ栽培
担当機関 富山県農業技術センター
研究期間 2000~2003
研究担当者
発行年度 2000
要約 水田転換畑でのネギ栽培に対応できるように、ロータリカルチ及び側条施肥機を改良した。これらをハイクリアランス乗用管理機に装着することで、畦立て、施肥、削り込み、土寄せ作業の管理が本機一台で可能となり、10a当たり作業時間が慣行に比べ約45時間(80%)削減できる。
背景・ねらい 水田転換畑においてネギを栽培する場合、土寄せに用いる作土を確保するために畦幅 120cmとしている。現在、ネギ栽培における土寄せ等の管理作業は歩行型管理機を用いるため、土壌条件によっては土が上がりにくく重労働となっている。そこで、大豆用のハイクリアランス乗用管理機(最低地上高700mm、輪距1500mm)を活用し、本県のネギ栽培に適応したロータリカルチ及び、側条施肥に対応した施肥機の開発により、乗用管理機によるネギ管理体系を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 大豆作業用90cm×3条のロータリーカルチをネギ用120cm~135cm×2条に着脱・調整できるように改良した(図1)。それに要する作業時間は約1時間である。
  2. 削り込みから2回目の土寄せに用いるロータリは、3枚のらせん状爪と3本の爪を組み合わせる。センターの削り残しを無くなるために、3本の爪のうち1本を内側に向ける(図2)。3回目から最終土寄せに用いるロータリは、片側30cm間に7本の爪を組み合わせることで畦高30cmまで土が上がる(図1)。側板を7cm長く改良し、40cmにすることで、土寄せ時のネギの損傷が少なくなる。
  3. 施肥機の施用口にディスクオープナーを取り付け、肥効調節型肥料を埋設できるように改良した。これにより、畦立てと同時に肥料の条施用が可能である(図3、図4)。
  4. これらの作業機により、慣行に比べて10a当たり作業時間を畦立てで5.4hr(75%)、施肥で6.5hr(100%:畦立て時同時に施肥)、土寄せで33.6hr(79%)削減できる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 大豆とネギの土寄せ作業が同一の乗用管理機で行える。
  2. 条施肥により、窒素施肥量を慣行に比べ50%削減できる。施肥機の投入量調節を最大にして、時速1kmで走行すれば、窒素10%の全量基肥用肥料を10a当たり窒素成分で10kg、側条施用できる。
  3. 転換畑で通常のロータリ作業ができる土壌水分であれば作業可能である。
  4. 畦幅120cmでの最初の削り込みでは、トラクターのタイヤが落ちないよう運転に注意する。
  5. 乗用管理機の反転に、ほ場の両側に約5mの枕地が必要となり、単収がやや低下するが、管理機による折れなどの品質低下は見られない(表2)。
図表1 214497-1.JPG
図表2 214497-2.JPG
図表3 214497-3.JPG
図表4 214497-4.JPG
図表5 214497-5.JPG
図表6 214497-6.JPG
カテゴリ 肥料 水田 施肥 大豆 ねぎ

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