タイトル |
シバザクラのセル成型苗と専用シートによる畦畔の雑草抑制管理システム |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
畦畔に専用シートを据え付け、これにシバザクラのセル成型苗を植え付けることで、畦畔の雑草管理が可能である。セル成型苗育苗には、ピートモス1:山砂1の混合培土を用いる。育苗期間は、288および200穴セルトレイで8週間、162穴で12週間、128穴で16週間が限界である。
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背景・ねらい |
畦畔の雑草管理の省力化や景観向上のため、近年地被植物の需要が高まっているが、大規模に導入する場合、ある程度植物が被覆するまでの雑草管理や大量の苗の準備に苦慮しており、効率的な育苗、畦畔定植技術の確立が望まれている。そこで、主要地被植物の一つであるシバザクラを対象に、セルトレイを用いた育苗条件を明らかにするとともに、セル成型苗専用シートを民間と共同で開発し、簡易な畦畔の雑草抑制管理システムを確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 専用シート(ポリエステル90%、レーヨン10%)は、セル成型苗植え付け部位を16ヶ所/㎡の密度でポケット状に加工したもので(図1)、これを畦畔に据え付け、シバザクラのセル成型苗を定植する。被覆率は定植1年後に60%以上に達し、同質のシートに植え穴を開けて定植する場合と変わらないが、9cmポット苗を畦畔に9株/㎡の割合で定植した場合(1年後の被覆率90%以上)よりも、生育は約2ヶ月遅い(図2)。
- 専用シートにセル成型苗を定植した場合は、雑草発生量が6月ではポット苗定植の場合と同程度で、9月ではポット苗、セル成型苗いずれの定植よりも少なくなり(図3)、畦畔の雑草生育が最も抑制される。
- セル成型苗育苗用培土は、ピートモスと山砂の等量混合培土が挿し芽4、8週間後の根の生育、8週間後の発根株率が高く(90%以上)、適している(図4)。
- セル成型苗の限界育苗期間は、288穴、200穴で8週間、162穴で12週間、128穴で16週間であり、セル容量が小さいほど短く(表1)、畦畔定植時期から逆算した育苗計画を立てることができる。
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成果の活用面・留意点 |
- セル成型苗生産と畦畔緑化が一体となって振興できる。
- 畦畔は、専用シートのポケットが地面と密着する程度に整地する必要がある。
- セル成型苗の根鉢が崩れて小さい場合は、ポケットに山砂を補充する。
- 定植時に緩効性肥料(360日タイプ、14-12-14)を10g/株ポケット内に施用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
育苗
加工
管理システム
栽培技術
雑草
省力化
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