イネいもち病抵抗性に関する新国際標準判別品種シリーズの開発

タイトル イネいもち病抵抗性に関する新国際標準判別品種シリーズの開発
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 1994~2004
研究担当者 Gurdev G. Khush (IRRI)
Leodegario A. Ebron (IRRI)
Mary Jeanie T. Yanoria (IRRI)
井辺時雄(作物研)
加藤 浩(宮崎県総農試)
荒木悦子(近中四農研セ)
常松浩史(JIRCAS)
福田善通(IRRI)
発行年度 2003
要約 24 種類のを育成した。これらは国際的な標準判別品種として活用できる。
背景・ねらい イネいもち病抵抗性に関する判別品種として、出来るだけ多くの抵抗性遺伝子を対象とする、同質遺伝子系統を開発する必要がある。ただし、同質遺伝子系統の育成には多年月を要するので、国際イネ研究所(IRRI)において、同質遺伝子系統群の育成を進めるとともに、遺伝的背景は系統間で必ずしも均一ではないが一抵抗性遺伝子のみを導入したモノジーニックライン(一遺伝子導入系統)群を育成し、国際的に適用できるいもち病抵抗性判別品種シリーズを開発する。また育成される系統は、IRRI
の International Network for Genetic Evaluation of Rice (INGER)等とも協力し、関連研究機関へ配布・普及を計る。
成果の内容・特徴
  1. モノジーニックライン(一遺伝子導入系統)群としては、異なる遺伝子供給源も含め24 種の抵抗性遺伝子(Pia,
    Pib, Pii, Pik-s, Pik, Pik-h,
    Pik-m, Pik-p , Pish, Pit, Pita
    (Pi4), Pita-2, Piz, Piz-5, Piz-t,
    Pi1, Pi-3, Pi5, Pi7(t), Pi9,
    Pi11(t), Pi12(t), Pi19, Pi20)を対象として31
    系統で構成される。
  2. インド型品種CO39同質遺伝子系統は、遺伝的背景にPia を有し、加えて15 種の抵抗性遺伝子(Pib,
    Pik-s, Pik, Pik-h, Pik-m, Pik-p,
    Pish, Pita (Pi4), Pita-2, Piz,
    Piz-5, Piz-t, Pi1, Pi5, Pi7
    (t))を一つずつ保有する21 系統から構成される。
成果の活用面・留意点
  1. 両系統群は、世界で初めて開発された国際標準判別品種シリーズであり、いもち病菌の病原性解明および判別システムの構築、さらには抵抗性遺伝子源として利活用できる。モノジーニックラインについては、世界30
    以上の研究機関、大学へすでに配布・利用されている.また、CO39同質遺伝子系統群は、次年度(2005 年)より配布を始める。
  2. CO39同質遺伝子系統群は、遺伝的背景にPia を含むので、いもち病菌に対する反応を観察する際には、Pia
    の効果も考慮する必要がある。
  3. モノジーニックラインと同質遺伝子系統群は、いずれも熱帯の短日条件下で田植え後短期間で出穂・登熟する。また、倒伏しやすいので、肥培管理に気をつけるとともに種子増殖の際には混種をおこさないよう十分注意する。
  4. 系統に対する問い合わせや配布依頼は、IRRI 遺伝育種生化学研究部のIRRI- 日本共同研究プロジェクト・チームもしくはINGER
    に行う。
カテゴリ 育種 いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 肥培管理 病原性解明 品種

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