パッションフルーツ冬実中の酸含量を低下させる温度管理法

タイトル パッションフルーツ冬実中の酸含量を低下させる温度管理法
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 A. A. Macha
A. K. Chowdhury
井出 舞(神戸大)
雨宮俊(京大)
近藤友大(京大)
香西直子(香川大)
緒方達志
樋口浩和(京大)
米本仁巳
片岡郁雄(香川大)
野村啓一(神戸大)
発行年度 2006
要約  夜温15℃前後の無加温栽培におけるパッションフルーツ(品種:「サマークイーン」)の冬季収穫果実は酸含量が高い。昼温30℃、夜温25℃程度に管理する加温栽培を行うことにより、酸含量が低く糖酸比の高い果実が収穫できる。
背景・ねらい
 パッションフルーツ交雑種(Passiflora edulis×P. edulis F. Flavicarpa)は、主に亜熱帯地域で栽培されている。日本では夏季に収穫される果実(夏実)は、酸含量が低く生食に適している。一方、冬季は無加温ビニールハウスでは夜温15℃前後で栽培されているが、収穫される果実(冬実)は酸含量が高く生食には適さない。生食用果実としてパッションフルーツの消費を拡大するには、食味のより優れた果実、特に酸味の少ない果実生産が望まれている。そこで、酸含量の低い冬実生産のため、栽培期間中の気温が果汁中の酸含量に及ぼす影響を調査し、減酸に適切な管理温度を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 品種「サマークイーン」果実の受粉後収穫(落果)までの期間(日数)は、17~30℃の範囲では気温が高いほど短い(表1)。
  2. 昼温30℃で栽培した場合、夜温の高低は糖度(Brix)にほとんど影響しない(表2)。
  3. 昼温30℃で栽培した場合、夜温25℃の時に収穫時の酸含量(滴定酸度)は最も低くなり、糖酸比は最高となる(表2)。
  4. 昼温30℃、夜温30℃での栽培では、果皮の着色が進まないうちに落果する(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 本実験で供試した「サマークイーン」は、20リットル容量のポットにパーライト25%、ピートモス25%、埴土50%の割合で混合した培土で栽培している。
  2. パッションフルーツは土壌病害(フザリウム菌など)により立枯れ症が発生しやすいので、過かん水による土壌の過湿は避けなければならない。また、土壌の乾燥も減酸を抑制するので避ける必要がある。
  3. この成果は沖縄に限らず、熱帯・亜熱帯地域での活用が期待できる。

図表1 214685-1.pdf
図表2 214685-2.gif
図表3 214685-3.gif
カテゴリ 亜熱帯 温度管理 乾燥 受粉 パッションフルーツ 品種 良食味

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