| タイトル |
多様な事業展開による公共育成牧場の再編 |
| 担当機関 |
農業研究センター |
| 研究期間 |
1994~1994 |
| 研究担当者 |
|
| 発行年度 |
1994 |
| 要約 |
公共育成牧場の草地・家畜飼養管理を充実し育成預託牛の確保を図るには、豊富な労働力・人材の確保が必要である。そのためには、年間就業を可能とする周年預託、研修対応、牧場資源の高付加価値化、観光事業等の多様な事業展開が必要である。
|
| 背景・ねらい |
近年、酪農経営では多頭化の進展の中で搾乳素牛の育成預託需要は高まっている、しかし、公共育成牧場の大半は建設後15年以上経過し、機械・施設等の老朽化、草地生産力の低下、期間雇用に起因する労力不足等により、酪農家の要望に十分対応できる牧場は少なくなっている。こうした中で立地特性を活かして多様な事業展開を図り、育成事業を伸ばしている牧場もある。 本研究では、多様な事業展開を図りながら預託頭数を増やしている牧場の事例分析を通し、公共育成牧場の再編方向を提示する。
|
| 成果の内容・特徴 |
- 公共育成牧場の草地・家畜飼養管理を充実し、育成預託牛の確保を図り、牧場を維持発展させるには、経営者能力、草地・家畜管理技術を修得した人材確保が必要である。人材確保のためには、K牧場のように(1)子牛のほ育・周年育成・搾乳・肉牛や緬羊の繁殖肥育等の周年事業(2)放牧育成や飼料生産、バーベキュー・レストラン営業等の夏期事業(3)肉畜や林産物等の加工・特産品開発等の冬期事業 など多様な事業展開により、年間就業を可能にし、雇用を安定することが必要である。また、多様な事業展開は、職員の就労意識を向上させ、職員の能力開発・技術の積極的修得に寄与している。
- 繁忙期に急増する労働需要への対応策として、S牧場は地元農業高校生の実習、学生のサークル活動を受け入れ、これを職員の指揮管理のもとに、多労な牧柵修繕・施肥・雑草除去にあてている。その結果、草地生産力の向上や放牧事故の低下等、牧場管理を充実し、また、支払い労賃の軽減による低い預託料金での運営を実現し、育成委託する酪農家の要望への対応を可能にする。
- 実地研修は支払い労賃の軽減のみならず、作業指揮による職員の作業確認等資質の向上や研修生との交流による日頃のストレス解消等、職員の活力向上につながると同時に、様々な情報を交換する中でさらに新たな事業展開の可能性が与えられている。さらに、研修体験者の中から牧場への就職希望や獣医師を志す者が出るなど、将来の人材確保にも貢献する。
|
| 成果の活用面・留意点 |
事業を拡大するにあたっては、立地特性、育成委託者・地域の要望や社会的ニーズを充分踏まえ、販路開拓や資金調達の方法に留意する必要がある。 (図、表)
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| カテゴリ |
病害虫
加工
管理技術
経営管理
高付加価値
雑草
飼育技術
施肥
肉牛
乳牛
繁殖性改善
羊
|