タイトル |
らっかせい新品種候補系統「関東80号」の育成 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1979~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
らっかせい「関東80号」は早生の多収系統である。莢、子実の品質は良好で、煎豆、ゆで豆ともに良食味の煎莢・ゆで豆兼用種である。
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背景・ねらい |
鹿児島県では価格の有利さから、ゆで豆用(生莢用)として早生品種の需要が多いが、現在の奨励品種である「ワセダイリュウ」は熟期は早いものの、莢の形が悪く(くびれが深い)、収量性が劣るなどの問題を抱えている。このため、「ワセダイリュウ」に替わるゆで豆兼用の早生、良質、多収の新品種の育成が強く要望されていた。
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成果の内容・特徴 |
- 「関東80号」は良質・多収の早生・大粒系統である。草型は株のやや開く立型で、分枝長は短く、分枝数はやや少ない。
- 倒伏は少なく、各種病害に対する抵抗性は中程度である。開花期は「タチマサリ」ほどではないが早く、収穫適期は開花期後75日頃の早生系統である。
- 上莢数が多く、多収である。剥実歩合、上実歩合ともに高く、百粒重は大きく、「ナカテユタカ」と同程度である。
- 莢・子実の外観品質は良く、煎豆・ゆで豆の食味はともに良好である。
- 莢色は白く、莢褐斑病の発生も少ないため、ゆで豆用に適している。
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成果の活用面・留意点 |
- 適地は南九州および関東地域であり、採用を予定している鹿児島県では「ワセダイリュウ」「ナカテユタカ」などに替えて、150haの普及を見込んでいる。
- 早生系統であるため、特にゆで豆栽培での早期出荷用に適している。
- 晩播栽培の適応性が高いため、輪作体系で麦や野菜の後作などへの導入が可能である。
- 収穫適期を過ぎると、子実の品質や食味が低下しやすいので、開花期後75日頃(ゆで豆用は65-70日頃)を目安に収穫する。
- 各種病害に対する抵抗性は強くないので、適期の防除に努める。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
出荷調整
新品種
抵抗性
品種
防除
らっかせい
良食味
輪作体系
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