タイトル |
低アミロ−ス水稲新品種候補系統「関東168号」の育成 |
担当機関 |
農業研究センター |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
水稲「関東168号」は「コシヒカリ」のMNU処理突然変異によって育成された、低アミロース系統である。「コシヒカリ」並の早生に属し、アミロース含量・千粒重・収量以外の諸特性は「コシヒカリ」と同一である。米の用途は、加工米飯、米菓、一般米飯、おにぎりなどに適する。
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背景・ねらい |
各種食品に要望される品質や消費者ニーズが多様化する中で、一般米に対しても「コシヒカリ」よりも粘りが強い良食味米及び各種米飯加工、米菓加工に適する品種が求められている。低アミロース等の澱粉の改変の上で突然変異の有効性が示されていた。
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成果の内容・特徴 |
- 「関東168号」は、1985年に農業研究センターで、「コシヒカリ」にMNU(メチルニトロソウリア)処理を行って、突然変異を誘発し、その後代から育成された低アミロース系統である。
- 出穂期、成熟期、稈長などアミロース含量と千粒重・収量以外の諸特性は「コシヒカリ」と同一である。
- 「コシヒカリ」と同様、耐冷性は極強、穂発芽性は難である。また、耐倒伏性は弱で、いもち病抵抗性も弱である。
- 外観品質は「コシヒカリ」並であるが、千粒重はやや軽い。収量は「コシヒカリ」よりやや低い。アミロース含量は、9%~12%で玄米はやや不透明となる。米の用途は、一般の良食味米飯、加工米飯、おにぎり、炊込み米飯、胚芽米飯、米菓など多くの用途に適する。
特性一覧表
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成果の活用面・留意点 |
- 適応地帯は南東北以南の「コシヒカリ」栽培地帯である。
- 耐倒伏性が「コシヒカリ」並に弱いため、施肥管理は「コシヒカリ」並とし、多肥栽培は避ける。
- 成熟後期の倒伏などにより、品質を悪化させないように適期刈りに努める。
- 耐冷性極強、穂発芽性難であり、低アミロースの良食味母本として有効であると考えられる。
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図表1 |
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カテゴリ |
いもち病
加工
新品種
水稲
施肥
抵抗性
品種
良食味
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