二条大麦新品種「タカホゴールデン」

タイトル 二条大麦新品種「タカホゴールデン」
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  早生・多収、耐倒伏性などの栽培特性に優れ、大麦縞萎縮病とうどんこ病に複合抵抗性を持ち、ビール醸造用麦芽品質の優れる二条大麦品種「タカホゴールデン」を育成した。
背景・ねらい  ビール麦は収量性などの栽培特性とともに優れた麦芽品質が要求される。大麦縞萎縮病抵抗性を持った早生・多収品種であるミサトゴールデンは、栽培特性が優れているが醸造品質に問題が指摘されており、実需者から計画的な作付けの削減が求められている。同病抵抗性のミカモゴールデンは高品質であるが、整粒収量が十分とは言えずうどんこ病にも弱い。今後、ビール麦の作付推進を図るには、高品質でミサトゴールデン並の早生・多収で栽培特性が優れ、大麦縞萎縮病とうどんこ病の複合抵抗性を持った品種の普及が待ち望まれている。
この様な実需者や生産者の強い要望に応えるため、ミサトゴールデンに代わる品種として、優れた醸造品質、早生・多収性、病害複合抵抗性などの栽培特性を兼ね備えることを目標として品種育成を行った。
成果の内容・特徴  本品種は「大系R2068/栃系144(後のミサトゴールデン)」の組合せから育成した醸造用二条大麦品種であり、平成6年度に栃木県の奨励品種(認定)に採用された。
 この品種の主要な特性は以下のとおりである。
  1. あまぎ二条に比べ出穂期で2日、成熟期で4日程度早く、ミサトゴールデン並の早生種である。
  2. 千粒重が大きく整粒歩合が高く、ミサトゴールデンと同等かやや優る多収である。
  3. 醸造用麦芽品質が良く、総合評点ではあまぎ二条に優る。
  4. 大麦縞萎縮病ウイルスのI型系統とうどんこ病に対して複合抵抗性である。
  5. 耐倒伏性はあまぎ二条に優り、ミサトゴールデン並の強である。
成果の活用面・留意点
  1. 温暖地平坦部のビール麦栽培地帯に適する。
  2. 茎立ちが早いので極端な早播きは凍霜害の危険性が高まるため、適期播種に努める。
  3. 耐倒伏性は強いが、極端な多肥栽培は麦芽品質の低下をまねくため避ける。
  4. 穂発芽性がやや易であるため、刈り遅れによる雨害を避けること。また、早刈りによる発芽勢の低下を避けるため、適期収穫に努めるとともに脱穀調製に留意する。
(表1)
図表1 214760-1.gif
カテゴリ 萎縮病 うどんこ病 大麦 新品種 多収性 抵抗性 播種 品種

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