タイトル |
良食味強稈多収水稲新品種「玉系95号」の育成と奨励品種採用(予定) |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
良食味・良質、縞葉枯病抵抗性、耐倒伏性極強、中晩生で多収の水稲新品種「玉系95号」を育成した。中山間・山添地域を除く県下全域に適する。埼玉県のブランド米向けとして奨励品種に採用する。
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背景・ねらい |
米に関する規制緩和を背景に、消費者志向に対応した高品質・良食味で、販売しやすい米の生産拡大と安定供給が求められている。このため、県下全域に適し、「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」等、既存の良食味品種と作期分散が可能で、耐倒伏性が極めて強く、縞葉枯病抵抗性を有し、中晩生の良食味・良質多収品種が要望されていた。そこで、これらの要望に合った特性を有し、栽培しやすい中晩生の良食味・良質水稲新品種を育成し、奨励品種に採用し普及を図ろうとする。
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成果の内容・特徴 |
- 「玉系95号」は北陸122号(キヌヒカリ)×玉系74号(ゆめみのり)の組合せから育成されたもので、本年度、種苗法に基づく品種登録を申請する。
- 「朝の光」と比べ、早植では出穂期は3日程度、成熟期は4日程度遅く、普通植では出穂期は同程度、成熟期は2日程度早い中晩生種である。
- 縞葉枯病には抵抗性遺伝子Stv-biを有すると推定される。穂発芽性はやや易、耐倒伏性は極強で、小麦あと栽培にも適する。
- 収量性は「朝の光」並に多収である。
- 「朝の光」に比べ、粒大はやや大きく、搗精歩合は高く、食味は「あかね空」に優る良食味である。
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成果の活用面・留意点 |
- 中山間・山添地域を除く県下全域に適し、埼玉県のブランド米としての活用が期待される。普及予定面積は4,800ha。
- 耐肥性の高い短稈種なので、特に地力の低いほ場では適正な施肥管理が必要である。
- 白葉枯病、いもち病に弱いので常発地の作付けは避け、適正な防除を実施する。
- 成熟期になっても滞緑色籾がやや高い割合で残るので、刈取適期を逸しないよう注意する。刈取適期幅は10日間程度である。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
小麦
縞葉枯病
新品種
水稲
生産拡大
施肥
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
良食味
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