水稲複合抵抗性新品種「玉系88号(彩の夢)」の育成と準奨励品種採用(予定)

タイトル 水稲複合抵抗性新品種「玉系88号(彩の夢)」の育成と準奨励品種採用(予定)
担当機関 埼玉県農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 耐倒伏性極強、縞葉枯病抵抗性、ツマグロヨコバイ・萎縮病抵抗性、良質多収で減農薬栽培が可能な晩生の水稲新品種「玉系88号(彩の夢)」を育成した。野菜あと等の肥沃地や小麦あと栽培を対象に準奨励品種に採用する。
背景・ねらい 本県の水田では多様な生産が行われており、それらに対応した水稲の良質多収品種が求められている。特に野菜あと等の極肥沃地では、既存の品種では倒伏のため対応できないことから極強稈品種が要望されてきた。また、農業者の高齢化や、混住化の進行等により、農薬散布が困難になりつつある一方で、消費者の食の安全性志向の高まりから減農薬米のニーズも高まってきている。そこで、これらの要望に対応できる極強稈で、複数の病害虫抵抗性を有し、野菜あと等に適する良質多収品種を育成し、準奨励品種に採用し普及を図ろうとする。
成果の内容・特徴
  1. 「玉系88号」は、関東PL3(水稲中間母本農2号)×玉系74号(ゆめみのり)の組合せから育成され、品種名「彩の夢」として種苗法に基づく品種登録を申請した。
  2. 「むさしこがね」に比べ、出穂期はほぼ同じ、成熟期は2~6日遅い晩生種である。
  3. 縞葉枯病にはModanまたは関東PL3に由来する抵抗性を有する。ツマグロヨコバイ並びに萎縮病には関東PL3に由来する抵抗性を有する。
  4. 短稈で耐倒伏性は極強、収量性は「むさしこがね」並である。
  5. 「日本晴」と比べ、粒大、玄米品質及び搗精歩合はやや上回り、食味は同等である。
  6. 小麦あとや野菜あとに適し、特に野菜あとや農業用水の窒素汚濁が進んだ地域等、既存の品種では対応できない極肥沃地にも適する。
成果の活用面・留意点
  1. 普通植、麦あと栽培に適する。特に野菜あと等、既存の品種では倒伏の危険が高い地域、及び減農薬栽培を必要とする地域に限定して普及を図るので準奨励品種とする。普及予定面積は1,000ha。
  2. 耐肥性の高い短稈種なので、特に地力の低いほ場では適正な施肥管理が必要である。
  3. 白葉枯病、いもち病には弱いので、常発地の作付けは避け、適正な防除が必要である。
  4. 成熟期になっても滞緑色籾がやや高い割合で残るので、刈取適期を逸しないよう注意する。刈取適期幅は10日間程度である。
図表1 214771-1.gif
カテゴリ 病害虫 萎縮病 いもち病 害虫 小麦 縞葉枯病 新品種 水田 水稲 施肥 抵抗性 農薬 品種 防除 良食味

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