用土客入を伴う黒泥土の基盤整備田における直播栽培様式が均平度の経年変化に及ぼす影響

タイトル 用土客入を伴う黒泥土の基盤整備田における直播栽培様式が均平度の経年変化に及ぼす影響
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 傾斜約 1/100の河岸段丘面を表土処理と用土客入により大区画化した水田では客土の厚さによって均平ムラが生じる。乾直圃場は基盤整備後4年目でもこの傾向が強くみられ、水稲の生育が不安定となる。一方、湛直圃場では基盤整備後の早い時期から高い均平精度が得られる。
背景・ねらい 稲作は担い手の高齢化、後継者の減少、UR農業合意などを背景に規模拡大による生産コストの削減が要請され、千葉県では圃場の大区画化を推進するとともに省力技術としての直播栽培の導入を図ることが急務となっている。そこで、直播栽培の安定をねらいとして、下層に黒泥土が埋没する傾斜1/
100の河岸段丘面を基盤整備した圃場において、均平度と水稲の生育の関係を検討する。
成果の内容・特徴 調査圃場は基盤整備前の最高標高差が1.2m、土壌条件は黒泥土であり、農道をはさんでほぼ同条件の圃場で基盤整備後2年目から直播栽培を実施した。均平作業は直播1作後に客土、直播2作後にブルドーザで実施した。
  1. 一筆圃場内の均平ムラは客土の厚さで変動し、乾直圃場では湛直圃場に比べて高低差が大きくなる(図1)。
  2. 均平精度は各圃場ともブルドーザによる均平作業で高まるが、乾直圃場では1作終了後に再び低下する。一方、湛直圃場は均平作業を施工しなくても高い精度が維持できる(図2)。
  3. 一筆圃場内の茎数のばらつきは乾直圃場では基盤整備直後に大きいが、各圃場とも栽培年数の経過に伴なう均平精度の向上によって小さくなる(図3)。
  4. 乾直圃場では均平ムラで生じる入水後の水深差が初期生育に影響を及ぼし、水深が深いほど分げつの発生が抑制される(図4)。
  5. 以上より、基盤整備後の田面の高低差が大きい大区画圃場では、当初は代かきを伴う栽培法を導入し、乾田直播栽培は均平度の安定が得られてから導入する方がよい。
成果の活用面・留意点
  1. 乾田直播栽培では生育むらに対応した肥培管理が必要となる。
  2. 客土を伴う傾斜地の基盤整備では一筆圃場内の客土の厚さムラを小さくするように、長辺は等高線に沿った形の方が望ましい。
図表1 214776-1.gif
図表2 214776-2.gif
図表3 214776-3.gif
図表4 214776-4.gif
カテゴリ 乾田直播 規模拡大 傾斜地 コスト 直播栽培 水田 水稲 肥培管理

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