肥効調節型肥料の播種溝条施による冬季代かき直播水稲栽培の安定化

タイトル 肥効調節型肥料の播種溝条施による冬季代かき直播水稲栽培の安定化
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1995~1998
研究担当者
発行年度 1995
要約 冬季代かき田を利用した水稲の不耕起乾田直播栽培(以後、冬季代かき直播)に、肥効調節型肥料の播種溝条施による全量基肥施肥を適用すると、発芽障害がなく斉一な生育が確保され、作業の省力化に加えて、生育・収量の安定した直播栽培が可能となる。
背景・ねらい 冬季代かき直播栽培は、雑草防除、ほ場の不陸など不耕起乾田直播の課題を合理的に解決でき、また、深い播種深度と硬い耕土に起因する大きな支持力により、倒伏に弱いコシヒカリの直播を可能にする技術として期待されている(平成6年度成果情報)。しかし、従来の不耕起乾田直播栽培では肥料を省力的に土中に施用することが難しく、有効利用上の課題であった。そこで、全量基肥施用を安定的に適用できる播種溝条施技術(平成6年度成果情報)を本栽培法に適用し、省力化と栽培の安定化を実現する。
成果の内容・特徴
  1. 冬季代かき直播はとくに安定した作溝が可能なため、高い精度の施肥が可能である(図1)。
  2. 肥効調節型窒素肥料のみを播種溝条施することで、種子に対する濃度障害が回避される(図1)。さらに、単肥施用のため単位面積当たりの現物施用量を減らすことができ、補給回数の低減により高能率播種が可能になる。
  3. 分施法に比較し、初期の乾田期から生育の確保が容易で、冬季代かき直播では分施法より穂数・収量が確保しやすい(図2)。
  4. 株もとに肥料があり、溶出に即応して稲に吸収されるため利用率が高く、肥料による生育制御が容易である。したがって、同一の施肥(施肥量、ブレンド)条件では、ほ場が異なってもほぼ等しい生育・収量が確保できる(図2)。
  5. 本栽培法は、普及技術として最も省力的な全量基肥施用による稚苗移植栽培に比較し、労働時間は約70%、第1次生産費は約90%に低減され、生産費の低減に有効である(図3)。
  6. 以上、冬季代かき直播に播種溝条施による全量基肥施肥を適用すると、水稲栽培の大幅な省力化と、移植栽培並の安定化が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. カリ、りん酸、土壌改良材は、必要に応じて別に施用する。
  2. 被覆尿素(商品名:LPSS100、LP70)以外の適用性は検討していない。
図表1 214787-1.gif
図表2 214787-2.gif
図表3 214787-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 乾田直播 雑草 直播栽培 省力化 水稲 施肥 土壌改良 播種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる