タイトル |
ビール大麦「新田二条13号」の準奨励品種採用 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
県内でのビール大麦の安定生産をはかるため、実需者の求める醸造特性を有し、かつ大麦縞萎縮病抵抗性、早生、短稈のビール大麦「新田二条13号」を準奨励品種に採用し、普及を図る。
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背景・ねらい |
本県のビール大麦作付面積の約32%は「ミサトコ゛ールテ゛ン」である(平成7年産)。しかし、「ミサトコ゛ールテ゛ン」は実需者の求めるビール醸造特性が劣るため、早期の品種転換を迫られているが、現在の奨励品種で「ミサトコ゛ールテ゛ン」以外のものは大麦縞萎縮病の抵抗性をもたず、抵抗性品種の普及が強く望まれている。大麦縞萎縮病抵抗性を有し、醸造特性の優れた優良系統を奨励品種に採用することにより、県内の大麦縞萎縮病発生地帯での二条大麦作の安定を図ろうとする。
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成果の内容・特徴 |
- 品種特性
「あまぎ二条」と比較して、次のような特徴がある。 (1)出穂期で1~3日、成熟期で3~7日程度早い早生種である。 (2)株はやや閉じ、稈長は6~9cm程度短く、穂長も短い。穂数は少ない。 (3)耐倒伏性に優れる。 (4)うどんこ病に対してはやや劣るが、赤かび病に対しては同程度、大麦縞萎縮病に対しては極めて強い。 (5)収量は同程度からやや劣る。 (6)千粒重、L重はやや小さい。 (7)穀皮の厚さは薄い。
- 製麦及び醸造特性
ビール大麦合同比較試験品質試験結果より、「あまぎ二条」より優れる。
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成果の活用面・留意点 |
- やや肥沃な黒ボク土畑土壌地域を中心に約250haの普及を見込む。
- 茎立ちがやや早く、耐寒性・耐凍上性が劣るので極端な早播き・晩播は避け、踏圧を十分に行う。
- 耐倒伏性は強いが、極端な多肥栽培は粗蛋白含量を高める原因となるので、適切な施肥量・播種量を心がける。
- 品質低下を防ぐため適期収穫に努め、脱穀調製する際はコンバインの回転数を稲に使用する際より10%落とすことを基本とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
萎縮病
うどんこ病
大麦
施肥
耐寒性
抵抗性
抵抗性品種
播種
品種
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