タイトル |
麦類の水稲立毛間散播栽培法 |
担当機関 |
長野県農事試験場 |
研究期間 |
1992~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水稲の収穫が遅れた場合、麦の晩播回避のため、水稲立毛中に麦類を散播し、水稲をコンバインで収穫し、細断した排出切りわらで被覆することによって、苗立ちが確保され、安定収量が得られる。
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背景・ねらい |
二毛作限界地帯で、水稲作の後に麦類を栽培する場合、適期播による、越冬前生育の確保、越冬性の向上が基本となる。しかし、収穫作業が秋雨によって長引いた場合など、適期播種ができない事例が多い。そこで、水稲収穫と麦播種の作業競合を回避しながら、水稲収穫、麦播種ともに適期作業が可能な技術開発に取り組んだ。
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成果の内容・特徴 |
- 水稲の成熟期や収穫が遅れ、水稲収穫後麦の適期播種ができない場合、播種適期に麦種子を水稲立毛間へ10a当たり8~12kg散播する。
- 水稲収穫は麦播種後、コンバインを用いる。排出わらは細断し、麦種子が均一に被覆されるようにする。
- 麦品種は耐寒、耐凍上性の強いものを用いる。
- 肥料及び酸度矯正材は水稲収穫後、ブロードキャスタ、背負い式動力散布機を用いて散布する。
- 施肥は高品質安定収量を得るため、基肥と茎立期・穂ばらみ期追肥の体系とする。
- 畑雑草の繁茂は全般に少ない。水田裏作雑草であるスズメノテッポウ、タネツケバナなどの発生が多いので、除草剤によって防除する。
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成果の活用面・留意点 |
- 当栽培法は晩播回避技術として使用し、適期播できる場合はドリル播など安定性が高い栽培法を用いること。
- 転換畑での麦作と同様に酸度矯正を確実に行う。
- 播種後の滞水は出芽不良を招くので、播種後早期にほ場周囲に排水溝を設置する。
- 水稲収穫物への麦種子混入を避けるため、水稲が倒伏したほ場では実施しない。
- 表面播で、凍上害が多いので、必要に応じて踏圧を行うこと。また、凍上害の常時発生土壌(黒ぼく土等)では導入しないこと。
- 長野県の普及地帯は黒ぼく土を除く標高700m以下の麦作地帯とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
雑草
出芽不良
除草剤
水田
水稲
施肥
二毛作
播種
品種
防除
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