タイトル |
肥育牛における飲料水中の鉄含量が肉質とくに肉色に及ぼす影響 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
乳用種去勢牛の肥育後期において、飲料水中に鉄を1.5ppm(水質基準の5倍)添加した時の肉質とくに肉色への影響を調べた。ロ―ス芯断面の色調は、色差計による測定では差異が認められなかったが、肉眼検査では、鉄分投与区の肉色がやや濃い傾向にあった。また、脂肪交雑については両者間で差異はみられなかった。
|
背景・ねらい |
牛肉の輸入自由化により、輸入牛肉と競合する枝肉の価格が下落している。最近の枝肉取引においては、脂肪交雑だけでなく、肉色が肉質評価上大きなウェイトを占めるようになってきており、枝肉の肉色の淡いものが高値で取り引きされている。肉色に影響を及ぼす要因としては、ストレス、年齢、と畜の方法、飼料等とともに飲料水の影響が考えられる。そのため、乳用種去勢牛肥育において、飲料水に含まれる鉄分の量が肉色に及ぼす影響を明らかにする(表1)。
|
成果の内容・特徴 |
- ロース芯断面の肉色については、色彩色差計では両区に差はなかったが、肉眼検査(BMSNo)では鉄分投与区の肉色がやや濃い傾向にあった(表2、表3)。
- 飲料水中に鉄を添加することにより、ヘマトクリット値が高くなり血液中の鉄含量は増したが、血漿中、筋肉中の鉄含量は増加しなかった(表3)。
- 肥育牛の増体については両区に差はなく、脂肪交雑(BMSNo)についても差はみられなかった(表2)。
|
成果の活用面・留意点 |
飲料水中の鉄分の含量が肉色に影響することが示唆されるため、井戸水を牛の飲料水として利用する場合には、水が赤茶色をしているようなら鉄含量を測定し、鉄含量が高い場合は除鉄装置を設置するとよい。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
くり
茶
肉牛
|