タイトル |
木酢液と水の鶏糞臭気に対する影響 |
担当機関 |
山梨県畜産試験場 |
研究期間 |
1995~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
木酢液の消臭効果を、鶏糞を用いて経時的に現象を追ったところ、アンモニアと硫黄化合物の発生に特徴がみられた。しかし、水のみの散布においても同様の傾向がみられ、水への吸着等、物理的な作用によるところが大きいと示唆された。
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背景・ねらい |
古くから手軽に使用できる消臭剤として木酢液が使用されているが、その評価についてはまちまちであり、消臭効果についても不明な点が多い。そこで、木酢液がどのように臭気発生に影響を及ぼすか、実験室内で鶏糞を用いて臭気発生の特徴を経時的に調べた。
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成果の内容・特徴 |
木酢原液として5ml/m2量を、濃度や散布量を変え、鶏糞に散布したところ臭気発生に以下の特徴がみられた。
- アンモニアに関しては、散布直後から約6時間まで押さえるが、その後回復して24時間後には無散布区以上に急増した。
- メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルは、木酢液又は蒸留水を散布することにより急増し、1~4時間でピークに達し、徐々に減少して24時間後に元のレベルまで戻った。
- 表面の湿潤に伴い硫化物の増加、また逆に乾燥に伴いアンモニアの増加傾向が見られた。
- 臭気発生は、木酢液の濃度により、散布量の違いによる影響が大きいものと考えられる。
- 蒸留水散布によっても同様の傾向が見られることから、木酢液による中和より、アンモニアについては水分への吸着によるところが大きいと考えられる。また、アンモニアでは一時的な抑制効果しか期待できず、木酢液独特の燻臭による覆い隠し効果により使用される面が多い。
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成果の活用面・留意点 |
木酢液は、木材から炭を生産する際などに廃棄物として得られる褐色の酸性液でPH4.0、価格100円/l程度と比較的安価なため現場での利用の可能性がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
鶏
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