タイトル |
にほんなし「幸水」のハウス栽培の温度管理と生育 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
1月中旬からビニール被覆、加温し、露地栽培の各生育ステージの気温に近い温度管理により、6月下旬~7月上旬に収穫するにほんなし「幸水」の加温ハウス栽培が可能である。この場合、ビニール被覆から45日前後で開花盛期となり、果実の成熟日数は約130日である。GAペースト処理により3~5日成熟が早まる。
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背景・ねらい |
にほんなし栽培農家の間では、労力分散だけではなく高収入も期待できる施設栽培への関心が高まっている。そこで、加温ハウスでの樹体の生育特性を明らかにするとともに、6月下旬から7月上旬収穫の作型の栽培管理技術について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 温度管理は表1のように行う。
- ビニール被覆後に1週間程度の無加温期間を設けると、加温開始から催芽期までは21~22日、催芽期から開花始期までは10~13日である。開花始期から約2日で開花盛期になるので、被覆してから45日前後で開花盛期になる。また、開花期間は6~7日である(表1)。
- 果実の成熟日数(満開日から収穫盛日)は130日前後で、露地とほぼ同様であり、GAペースト処理により3~5日成熟が早まる(表2)。
- 糖度は露地栽培よりやや劣るが、硬度、酸度には差がない。また、GAペースト処理による品質の差もみられないので(表2)、GAペーストを処理した方が良い。
- 果実肥大には年次差がある(表2)。着果量は10a当たり8,000~9,000果とし、早期摘果に務める。
- 短果枝の維持は悪い。新梢は露地のものより細くなるが、えき花芽が著しく低下することはない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 病害はほとんど発生しない。しかし、アブラムシ類やハダニ類が多発しやすいので注意が必要である。
- 被覆時には十分に潅水し、その後は地下30~40cmのpFを1.8~2.2程度に保つように潅水する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
温度管理
栽培技術
施設栽培
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