りんご新品種「ハニークイーン」

• 担当機関: 群馬県園芸試験場
• 研究期間: 1995～1998
• 発行年度: 1995
• 要約: りんご「ハニークイーン」は「恵」に「レロ11号」を交雑して得られた実生から選抜、育成したもので、果実は円錐形、果皮色は濃紅色、大きさは350g程度の大玉で、蜜入りの極めて多い、10月下旬に成熟する晩生品種である。
• 背景・ねらい: 本県のりんご栽培では、販売形態の多くが直売方式となっている。また、消費者の嗜好が多様化しており、地域での特産化が可能な独自性を有する品種が求められている。そこで、本県に適応性の高い高品質・耐病性・中晩性優良品種を育成し、県内りんご産地の強化をはかる。

成果の内容・特徴

1. 昭和50年に「恵」に「レロ11号」を交雑して得られた実生から選抜・育成した。系統名はGAC-4号で、平成4年に品種登録を申請し、平成7年3月27日に登録番号第4480号として公表された。
   
2. 樹姿は直立と開帳の中間、樹勢は強である。
   
3. 開花期は「ふじ」とほぼ同時期である。
   
4. 短果枝、えき花芽の着生は良好である。二年生枝以上の枝・幹はやや肌荒れ状態となる。
   
5. 果実は円錐形、果皮色は濃紅色で縞は不明瞭である。熟期は10月下旬から11月上旬でやや晩生種に属する。大きさは350g程度の大玉で、果梗は短く、太い。
   
6. 果肉の硬さ、きめは中、蜜入りは極めて良好である。果汁が多く、糖度は14%前後と高く、酸度は0.4%前後で、甘酸適和、濃厚な食味を呈する。
   
7. 果実の貯蔵性は高い。
   
8. 後期落果は少なく、生理障害も発生しにくい。心かびの発生も無～僅かである。
   

成果の活用面・留意点

1. 樹勢がやや強めであるので、多肥を慎み、適正な樹相を維持する。
   
2. 種苗登録品種であるので、苗木、穂木の取り扱いは種苗法に従う。
   

• カテゴリ: 新品種 生理障害 品種 良食味 りんご