ぶどうの早期成園化・省力化を目指した垣根仕立て栽培(マンズレインカット方式)

タイトル ぶどうの早期成園化・省力化を目指した垣根仕立て栽培(マンズレインカット方式)
担当機関 山梨県果樹試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 マンズレインカット方式による垣根仕立て栽培では、植え付け3年目で1t/10a以上の収量が得られ早期成園化が可能となった。収穫時期はいずれの品種も1週間程度遅れた。作業時間は新梢管理に要する時間は多くなったが、せん定、花穂管理が軽減された。
背景・ねらい ぶどうのせん定・新梢管理等作業の簡便・省力化を図るため、「ピオーネ」、「甲斐路」、「ルビー・オクヤマ」についてマンズレインカット方式の栽培を行い、果実品質、栽培特性を検討する。
成果の内容・特徴 マンズレインカット方式のトレリスを設置し、「ピオーネ」、「甲斐路」、「ルビー・オクヤマ」の3品種を供試し、株間3m、畝間3mに植え付けた。台木はグロワール、101-14の2品種を使用した。
樹齢6年生までの果実品質、栽培特性は次の通りである。
  1. 果実品質:結実後4年間(3~6年生)の果実品質を棚栽培(長梢せん定)と比較すると、「ピオーネ」、「甲斐路」は玉張りは良くなるが着色が劣った。「ルビー・オクヤマ」は品質に差はなかった。(表1)台木別に見ると「ピオーネ」ではグロワール台の品質が良好であった。「甲斐路」「ルビー・オクヤマ」では一定の傾向は見られなかった。(表2)収穫期はいずれの品種でも棚栽培より遅れる傾向があり、「ピオーネ」で10日、「甲斐路」で8日、「ルビー・オクヤマ」で4日の遅れであった。
  2. 新梢管理方法:新梢を揃えるために、勢力の強い新梢は開花始めに摘心し、その後上部の張線部の上10~20cm部分で随時摘心する。「ピオーネ」の着色向上のためには着色始めにエルノー液剤200倍を散布すると良い。(表3)
  3. せん定方法:側枝の基部の枝を1本残し結果母枝とする長梢せん定と、各結果枝を2芽でせん定する短梢せん定を検討したところ、「ピオーネ」、「ルビー・オクヤマ」では短梢せん定の方が玉張り、着色とも良かったが、「甲斐路」では長梢剪定の方が良かった。
  4. 収量:植え付け3年目で10a当たり1t以上、4年目で成園並の収量が得られ、早期成園化が可能となった。(表4)
  5. 作業時間:垣根栽培のせん定は棚栽培の約2/3であった。母枝誘引には差はなかったが、花穂管理は大幅に軽減された。新梢管理は単純化され容易であるが、作業時間は多く要した。(表5)
成果の活用面・留意点
  1. 垣根仕立てによりトンネル型の簡易雨よけ被覆が可能となり、病害の軽減効果が期待できる。雨よけ被覆の効果については今後の検討課題である。
  2. 品種により栽培特性が異なるので、品種毎に検討する必要がある。
  3. 灌水方法、灌水量、施肥量については未検討である。
図表1 214868-1.gif
図表2 214868-2.gif
図表3 214868-3.gif
図表4 214868-4.gif
図表5 214868-5.gif
カテゴリ 省力化 施肥 早期成園化 台木 品種 ぶどう

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