タイトル |
いちじく「桝井ドーフィン」一文字整枝の生産性の高い樹相と診断 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
いちじくの一文字整枝における着果と果実の発育からみた好適樹相は、7月下旬の結果枝基部径18~23mm、結果枝長100~150cmの範囲である。また、好適樹相を維持するには細根が20~30cmまで分布できる土壌条件をつくることが必要である。
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背景・ねらい |
いちじくは、樹勢の強弱により着果量・収量・果実品質が大きく変動する。また、作業能率に優れる一文字整枝法が採用されることが多いが、従来のX字整枝に比べて結果枝の勢力を揃えるのが難しく、樹勢が弱く生産の安定性にやや欠ける。そこで、一文字整枝の生産性の高い樹相の実態を調査して、その診断方法を示す。
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成果の内容・特徴 |
- 南知多町と美浜町の「桝井ドーフィン」の一文字整枝16園について実態調査を行った結果、根群分布と樹の生育相互間に高い相関が認められる。
- 地上部と地下部の生育を指標化することにより、その関係は一層明確になり、結果枝の総伸長量「指標A」より枝の太さを加味した「指標B」と地下部の指標「主根群域」との間の相関が高い(表2)。
- 結果枝基部の太さを区分した樹相診断では、基部が太いほど結果枝が長く着果数も多い。
- 果実肥大の良否を10節の横径でみると、結果枝の基部径15mm以上は差がみられない(表3)。
- 一文字整枝の好適樹相は、結果枝基部径18~23mm、結果枝長100~150cmの範囲にあると推定できる。
- 好適樹相を維持するには、根群域の大きさが強く影響しており、樹相パターンからみて、生育指標B3,000cm3、主根群域1.5m3で、細根が20~30cmまで分布できる土壌条件をつくることが必要である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
この樹相診断基準は、2m×5mの標準栽植距離を前提に策定したものである。土壌条件により樹勢の強弱が生じるため、あらかじめ土壌条件の良否により株間を調節して栽植距離を決めることが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
いちじく
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