タイトル |
培養変異後代からの低温肥大性メロンの選抜 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1995~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
不定胚または不定芽培養系で再生した個体の後代から果実の低温肥大性を有する変異個体の選抜ができる。即ち、低温発芽性で1次選抜し、その中から低温肥大性を有する個体の選抜を行えば、育種素材のその他の特性を変えずに低温肥大性の改良が可能である。
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背景・ねらい |
茨城県は露地メロンの全国有数の産地であり、「アンデス」と「クインシー」が栽培され、5月~6月にかけて出荷されている。両品種とも本県では6月出荷に適した品種であるが、現在では5月に出荷できるように前進栽培されている。しかし、本県のメロン栽培は無加温栽培であり、前進栽培を行うと果実が小玉化してしまう。産地ではこれらに代わる果実肥大性に優れた品種の作出が期待されている。そこで、組織培養により発生する培養変異を利用して、低温肥大性系統の選抜について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 培養変異出現頻度の高いメロンの培養系は、不定胚および不定芽培養系である(表1)。
- 「アンデス」のF2集団を低温(17℃)発芽性能力により2群に分類し、その果実肥大性を比較したところ、発芽能力を指標に選抜母集団から果実肥大性の悪い個体を高い比率(約80%)で淘汰できた。
- 開発した選抜法を用いて、不定胚および不定芽培養系による再生植物体の後代から図1に従って低温発芽個体の選抜を行ったところ、低温発芽系統が選抜できた(表2)。
- 最低夜温10℃で栽培し、低温発芽系統の果実肥大性を検定したところ約半数の系統が原品種以上の果実肥大性(図2)を示した。
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成果の活用面・留意点 |
本法は、育種素材の果実低温肥大性に関するワンポイント改良に有効である。また選抜方法を工夫することで、他の有用変異体の選抜にも適用可能と考えられる。本研究により低温肥大性の変異体が得られたので、今後新品種育成の育種素材に活用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
出荷調整
新品種育成
品種
メロン
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