タイトル |
半促成栽培用イチゴ新品種「GSC-1号」 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
イチゴ「GSC-1号」は草勢が強く、大果で外観・揃い、多収性に優れ、休眠性が中で半促成栽培に適する。
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背景・ねらい |
群馬県の中山間地帯の利根沼田地域には、促成から露地まで35ha前後のイチゴ栽培があり、特徴ある産地を形成している。この地域の半促成栽培では、従来「盛岡16号」「ベルルージュ」等が導入されたが、品質・収量等の問題から現在はほとんど栽培されておらず、これらに代わる中山間地域に適応性の高い半促成用品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成の経過
1991年から育成を開始し、94年に有望5系統を現地(利根沼田地域)で検討した。その結果、92年交配の実生選抜系統「系-56」×「女峰」から選抜・育成した「92-94」が大果性、多収性に優れ、現地適応性の高いことが認められたので系統「GSC-1号」とし、95年12月に品種登録を出願した。
- 育成系統の主要な特性
1)草姿は中間型で、草丈はやや高く、草勢は強である。 2)果実は極めて大果で平均果重28g前後となる。果形は円錐で外観・揃いとも良く、果実の硬さは女峰程度である。果皮色は鮮紅、果肉色は橙赤である。 3)糖度はやや高、酸度は中、果実の香りは少である。食味は多汁質で爽やかである。 4)花芽分化期・開花始期は中で、女峰より10日程度遅い。花房は直枝型で花数は少、成熟期は中、一季成で休眠性は中である。 5)収量性は高く、1株当たり600g程度の収量が得られる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本系統は、標高300~500mの中山間地域で、5℃以下積算時間350時間程度で保温するハウス半促成栽培に適する。5℃以下積算時間700時間以上で保温した場合には、徒長し果実品質も劣るので保温時期に留意する。
- 促成作型での利用については、低温期に果実肩部が着色しにくいこと、女峰に比べ花芽分化期が遅く糖度が低いことから、適応性が低いと思われる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
いちご
新品種
多収性
中山間地域
品種
良食味
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