促成栽培用イチゴ新品種「岐阜1号(仮称)」

タイトル 促成栽培用イチゴ新品種「岐阜1号(仮称)」
担当機関 岐阜県農業総合研究センター
研究期間 1987~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 「アイベリー」×「女峰」交配系統のなかから大果で果実品質の優れた促成栽培用品種(仮称:岐阜1号)を育成。食味が極めて良好で、果実は大果性で花房の連続出蕾性の高い促成栽培用品種である。
背景・ねらい 岐阜県のイチゴ生産は、岐阜市をはじめ西濃、中濃地域の平坦地を中心に行われており、栽培面積248ha、共販額40億円余(平成5年度実績)で本県の主要品目である。
栽培されている品種は「女峰」が中心で、「とよのか」も地域的に栽培されている。これらの両品種は、本県のイチゴ生産を支える優れた品種である。
しかし、「女峰」では収穫期後半に果実が小さくなる、「とよのか」では着色不良果がでやすいなどの短所も合わせ持っている。
これらの短所を改良した良質品種の育成が緊急の課題であった。
育成の目標は、早期連続出蕾性が高く、大果で食味の良好な促成栽培用品種とした。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    昭和63年に大果性品種である「アイベリー」に、果実品質が良く草勢も強い「女峰」を交配し、この中から、大果で果実品質の優れる個体(系統名「63-26-3」)を選抜した。
    そして、この系統について平成元年に無仮植育苗による促成栽培試験、平成2年から6年にかけて各種作型適応性試験を行った結果、促成栽培に適し、大果で食味の優れる系統であることを確認した。
    また、平成3年から6年にかけて現地適応性試験を実施した結果、生産者から高い評価を得た。
    これらのことから、実用栽培への期待が高まり、平成7年3月に品種登録の申請を行った。
  2. 特性
    (1)生育特性
    草型は立性、草丈はかなり高く、草勢は強で、ランナーの発生数はやや多い。
    花芽分化は早、休眠性は短である。
    (2)果実特性
    果実の大きさは大、果形は長円錐、果実の光沢はやや良、糖度は高く、酸度は中、糖酸比が高く食味は良である。
    (3)収量性
    収量性は高く、L(15g≦)以上の収量も高い。
    (4)耐病性
    うどんこ病抵抗性は高、萎黄病及び炭そ病抵抗性はやや低である。
成果の活用面・留意点
  1. やや萎黄病、炭そ病に弱いことから、ポット育苗を条件に現地で普及することが期待される。
  2. 葉身が小さく、成り疲れしやすいので、暖房機の利用により成り疲れ防止を図る。
  3. 低温、草勢の衰えにより小玉果が不受精果となる。
  4. そう果が黄色の状態が収穫の適期であるので、過熟果とならないように収穫出荷する。
図表1 214884-1.gif
図表2 214884-2.gif
図表3 214884-3.gif
図表4 214884-4.gif
カテゴリ 萎黄病 育苗 いちご うどんこ病 出荷調整 新品種 抵抗性 品種 良食味

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