タイトル |
ハイドランジアの簡易栄養診断に基づく施肥管理 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
ハイドランジアの品質向上のために、現場で利用できる簡易な栄養診断法の確立と、生育ステージ別の診断指標を作成し、概ねそれに添った施肥管理をすれば、良品のハイドランジアが安定生産できることを明らかにした。
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背景・ねらい |
栃木県のハイドランジアの生産は盛んで作型も多様化している。また、品種育成も積極的で、過去数年の間に40品種余が作出された。しかし、これらの新品種は、栽培的特性の解明が十分なされないまま生産されているため、現地では生育の各ステージで栄養障害と思われる生育異常の発生が確認されている。そこで、現地等で農家が自ら簡単に実施することのできる簡易な栄養診断法を確立して、診断結果に基づき施肥管理の適正化を図り、生産の安定に役立てようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 診断手法は主として迅速養分テスト法で行い、樹液浸出のサンプリング部位は、最上位完全展開葉の葉柄及び主脈を2mm厚にし、切片0.2gに概ね20℃の純水2mlを加え、直ちに試薬滴下後よく振とうして十分に反応してから診断する。
- 液肥を樋ひも底面給水により常時供給する条件では、チッソ100ppm-リン酸 107ppm-カリ113ppm濃度(1区)で、摘心後葉身の異常や止め葉にチッソ過剰症と思われる凹凸やケロイド症が現れ、装飾花の異常も多くなったことから、栄養生長相では樹液の硝酸態チッソ濃度が150ppmを越えると過剰であり、花芽分化開始期以降は50ppmを越えると過剰である。
- 1/2濃度(2区)では、花芽分化後やや葉に凹凸が現れたことから、栄養生長相で窒素が不足し、花芽分化後期でやや過剰である。
- 1/4濃度(3区)では、茎径が細く分枝数も少ないが、止め葉は健全だった。また花色は最も優れたことから、生殖生長相の樹液の硝酸態チッソ濃度は、初期が25~50ppmで、後期が10~25ppmでよい。
以上のことから、表1のとおり青色品種フラウタイコのステージ診断指標を作成した。
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成果の活用面・留意点 |
生産現場で、誰もが簡易に診断を行うことができ、概ね診断指標付近に維持する施肥管理をすれば、ハイドランジアの品質向上に大きく寄与できると思われる。ただし品種間による若干の養分要求量の差はあるので、表1をベースにアレンジする必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
栄養診断
診断技術
新品種
施肥
ハイドランジア
品種
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