タイトル |
養液栽培方式によるイチゴの低コスト立体型採苗装置の開発 |
担当機関 |
埼玉県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
既存の雨どい、パイプ等の資材を利用することにより、低コストで、イチゴ苗増殖時の作業姿勢の改善、土壌病害の回避、採苗数の増加が可能な、ロックウール養液栽培方式の立体型イチゴ採苗装置を開発した。
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背景・ねらい |
イチゴ産地では、生産者の高齢化、労働力不足、炭そ病の多発等で、年々優良苗増殖が難しくなってきている。そこで、作業姿勢の改善ができ、かつ、低コストで優良苗の安定生産と効率的増殖が可能な、養液栽培方式のイチゴ採苗装置を開発しようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 試作した養液栽苗装置の特徴は、既存の19mm直管パイプで1.5mの棚を作り、棚上に雨どい(8cm×13cm×400cm)設置、その中にロックウールスラブ(11cm×7.5cm×90cm)を敷き栽培床とした。また、培養液は循環方式で、給液は灌水用ポリチューブを使用しタイマー制御とした(図1)。
- 試作した採苗装置の苗増殖は株当たりで慣行育苗法の2.9倍、高設土耕方式の3.3倍で、親株定植2か月後でa当たり2万株以上の苗生産が可能である。(表1)
- 養液栽培方式の親株定植株間は7月採苗では総採苗数が多く、採苗適期の2~3葉苗割合が高い株間20cmが適当である(表2)。
- 試作養液栽培方式の施設設置費はa当たり約40万円で、同規模の市販装置の1/2以下である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 炭そ病の耕種的防除対策として活用できる。
- 培養液は園試処方標準培養液の1/2 濃度(EC0.8~1.5mS/cm)以内で管理する。
- ランナー発生が旺盛なため込みやすいので、うどんこ病、ダニの予防散布を徹底する。
- 採苗後1週間は発根を促すため土壌及び空中湿度を確保する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
いちご
うどんこ病
栽培技術
低コスト
防除
養液栽培
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