タイトル | 高糖度トマト生産に適した低段密植栽培用養液栽培システム |
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担当機関 | 静岡県農業試験場 |
研究期間 | 1995~1995 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1995 |
要約 | 高糖度トマト生産に適した低段密植栽培用で、10株単位で根域を制限する遮根培地ユニットと、不織布を利用した目づまりのない点滴給液装置を備えた養液栽培システムを開発した。 |
背景・ねらい | 水分ストレスの付与によって生産できる高糖度トマト(Brix8%以上)は、市場・消費者ニーズは高いものの、栽培が不安定で収量が少ない問題点があった。そこで、生育が安定し易く、密度を高め易い低段密植栽培による高糖度トマト生産のため、適度な水分ストレスの付与が可能で構造が簡単な新しい養液栽培システムを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1本装置は、市販の雨トイ(塩ビ製)と遮根培地ユニット(遮根シート、ロックウール細粒綿)を組み合わせた栽培ベッド、及び不織布を利用した目づまりのない点滴給液装置(点滴給液用不織布、給液パイプ)等から構成される循環型養液栽培装置である(図1、図2)。 2遮根培地ユニットは、舟形に加工した遮根シート(長さ1m、高さ・幅75mm)にロックウール細粒綿を約2リットル充填したもので、10株単位で根域を制限する (図2)。これによって、確実な水分ストレスが付与されるとともに、培地の充填、除去作業が容易となる。 3点滴給液装置は、切れ込みを入れた給液パイプ(φ40mm)に点滴給液用不織布(長さ120mm、幅60mm、厚さ2mm)を差し込み、下垂させて用いる。ポンプが作動し給液パイプに培養液が補給されると、下垂した不織布(下垂長60mm)を通じて毛管現象によって培地へ滴下される仕組みとなっている(図1、図2)。なお、不織布による1枚当たりの給液量は約80ml/15分で、1ユニット当たりの設置数は5枚とする。 4栽植は、株間10cm、条間150cmの1条振り分けとし(換算密度:6,667株/10a)、主枝は2段花房上の3葉を残して摘心する。 5本養液栽培システムによって`ハウス桃太郎、ハウスおどりこ'を栽培した結果(3月~4月収穫)、高糖度トマトの商品果収量(Brix8%以上、一果重40~149g)は、1株当たりそれぞれ686g、598gで、10a換算収量は4.6、4.0tとなる(表1、表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1本栽培方法については、特許出願済みである(平7-267567号)。 2 培養液のEC濃度は0.4S/mとし、給液は顕著なしおれが生じない程度に管理する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 加工 トマト 養液栽培 |