キャベツのセル成型苗低温貯蔵による定植期幅の拡大

タイトル キャベツのセル成型苗低温貯蔵による定植期幅の拡大
担当機関 岐阜県高冷地農業試験場
研究期間 1995~1999
研究担当者
発行年度 1995
要約 キャベツのセル成型苗は、30日間育苗した後、暗黒下で低温貯蔵することにより、5℃で10日間、10℃で5日間、定植期幅の拡大が可能となり、定植後の生育への影響も少ない。
背景・ねらい キャベツは大規模開発農地における基幹露地野菜の一つであり、作付けの省力化、規模拡大のためのセル成型苗による機械定植が普及しつつある。飛騨地域の開発農地の土壌は強粘質土壌が多く、降雨後は数日間にわたり定植が不可能になる。
またセル成型苗は、定植適期を過ぎると急速に老化し、定植しても生育不良となり、減収する。そこでセル成型苗を低温貯蔵することで老化を抑制し、定植期幅を拡大する技術を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 育苗は128穴(セル容量26.4ml)のセルトレーを用いる。
  2. 育苗日数が30日に達し、定植不可能な場合は、苗を低温施設に入庫する。
  3. 貯蔵温度は、苗の徒長、同化産物の消耗を抑制するため5~10℃とする(表1)。
  4. 貯蔵期間は、暗黒条件下でよいが、庫内温度5℃では10日以内、また10℃では5日以内とする。この期間を越えると、本葉1枚目の黄化が起こる(表2、表3、表4)。
  5. 出庫してから2~3時間日陰で馴らした後定植する。
成果の活用面・留意点
  1. 苗の入庫直前に、病害虫防除を行う。また、苗の水分状態を確認する際に、病害虫の発生についても観察し、必要ならば防除する。
  2. 潅水は入庫直前に十分に行う。苗のしおれや、培土の乾燥が心配されるときは灌水を行う。
  3. 貯蔵中は、追肥はしない。
  4. 低温庫内では、苗に直接冷風が当たることを防ぐため、新聞紙、べたがけ資材等を用い、水分の急激な損失を抑制する。
  5. 貯蔵による活着への影響はほとんど認められないが、定植後は活着するまで乾燥に注意する。
  6. 個人所有の2坪用予冷庫に入庫可能な苗数は、水稲育苗用台車(1段4枚、10段積み)に5段積みとすると、10,240株(約18a分)になる。
図表1 214912-1.gif
図表2 214912-2.gif
図表3 214912-3.gif
図表4 214912-4.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 害虫 乾燥 規模拡大 キャベツ 栽培技術 省力化 病害虫防除 防除

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