タイトル |
シクラメンの底面給水ひも栽培における合理的施肥法 |
担当機関 |
岐阜県農業総合研究センター |
研究期間 |
1993~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
シクラメンの底面給水栽培で、培養土として市販の調整ピート、基肥として初期溶出を抑えた緩効性肥料を最終鉢替え時に施用することで追肥回数を減らし、より省力的に均一良品の大量生産が可能となる。
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背景・ねらい |
シクラメン栽培は、底面給水の導入により潅水作業の大幅な省力化が図られた。しかしながら土づくり作業、追肥や葉組み作業等にまだまだ労力がかかり、規模拡大を妨げているため、さらなる省力化が求められている。 そこで、培養土として市販の調整ピートと緩効性肥料を使用し、より合理的な施肥体系で省力的に均一良品の大量生産を可能にする。
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成果の内容・特徴 |
- 市販の調整ピートは、ピート、パーライト、バーミキュライトを主体に配合されており、山土主体の培養土に比べて固相割合が低いなど物理性が大きく異なる。また、同じ条件下(底面給水ひも栽培)で栽培すると、山土主体の培養土より根張りがよく、葉数が著しく増加し、生育良好となる。(表1)
- 市販の調整ピートは、肥料分を含むものが多く、この場合は初期溶出を抑えた緩効性肥料(スーパーロング180)を最終鉢替え時(6月下旬)に施用することで初期の窒素過剰による葉の大型化を回避して、9月下旬の花芽分化時期まで、追肥をすることなく、安定した生育が確保できる。
(図1)
- 基肥としての緩効性肥料(スーパーロング180)の施用量による生育差は、品種によりその反応が異なり、スコルテン系パステルが最も大きな生育差が見られる。基肥量としては、2~3g/5号鉢が適当である。(表2)
- 9月下旬の花芽分化期以降、緩効性肥料(ロング100)を4g施用すると、葉の急激な大型化や、肥料切れによる花茎の伸びもなく良好な生育となり開花も揃う。(表3)
- これらの結果より、施肥作業は最終鉢替え時(6月下旬)及び9月下旬の2回のみで均一な良品の生産が可能となる。肥料代は10,000鉢あたり15,000円程度となる。(表4)
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成果の活用面・留意点 |
- 施肥作業を省力合理化することにより、規模拡大を図ることができる。
- 鉢内に追肥する方法はやや時間がかかるものの、簡単で誰にでも出来る作業であり、作業分散が可能である。底面給水栽培のため肥料は鉢土内にしっかり埋め込む必要がある。
- 5号鉢年内出荷以外の栽培では基肥、追肥の施用量を変える必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
規模拡大
シクラメン
出荷調整
省力化
施肥
品種
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