フキ培養苗の軟弱化防止のための通気処理を併用した無糖液体培養方法

タイトル フキ培養苗の軟弱化防止のための通気処理を併用した無糖液体培養方法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 培養フラスコ内のファイバーチップに培養苗を植え付け、1日7時間フラスコ内に空気を通気しながら、しょ糖2%を含むMS液体培地で培養後、無糖液体培地と置換する方法によって、フキ培養苗の軟弱化を防止し生育促進を図ることができる。
背景・ねらい フキ培養苗の軟弱化を防止し、生育促進と順化適応性を高めるためには、培養フラスコ内に新鮮空気の補給を行うと同時に、無糖培地で独立栄養植物として育成することが重要であると考えられる。そこで、通気の有効性及び有糖液体培地から無糖培地への適切な切り替え時期を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. この培養方法は、フキ(愛知早生フキ)の苗条原基から再分化した展開葉1.5枚葉の未発根培養苗を300ml培養フラスコ内のファイバーチップ支持体に植え付け、しょ糖を2%含むMS液体培地を150ml添加した後、温度25℃、照度2,000lux、16時間照明条件下で、ダイヤフラム式エアーポンプと0.45μmエアーフィルターを用いて無菌空気を通気しながら培養し、1週間後に液体培地を無糖のものに切り替える。
  2. 通気処理によってフキ培養苗の生育に明らかな差がみられ、草高と葉数(図1)、葉の形態と生育量(表1)ともに、通気処理区が無通気区を上回る。
  3. 無糖培地への切り替え時期の影響についてみると、培養株の草高は有糖培地で3週後に切り替えた区(生育後期切り替え区)で全期間(5週間)糖添加区より低いが、有糖培地で1週後に切り替えた区(生育初期切り替え区)は全期間糖添加区と同等である(図2)。発根はいずれの区も培養2週間後からみられる。新鮮重と乾物重は、生育後期まで糖が含まれる区が全期添加区とほぼ同等である。通気・無糖培養し、順化処理した苗を鉢上げし根株養成したところ、萌芽数は全期間糖添加区の方がやや多いが、根株重は初期切り替え区、後期切り替え区の順に大きい(表2)。
  4. 以上の結果、培養中の通気処理は無通気に比べ明らかに生育促進効果があること、培養中における無糖培地への切り替えは発根にほとんど影響がみられず、生育初期切り替え区でも生育抑制程度が少ないこと、さらに鉢上げ後の根株の生育が良好なことから、通気処理を行いながら培養中に無糖培地へ切り替えることが軟弱化防止・順化適応性を高めるための培養方法として適している。
成果の活用面・留意点 フキ以外の作物においても軟弱化を防ぐ培養方法として応用することが可能である。
図表1 214914-1.gif
図表2 214914-2.gif
図表3 214914-3.gif
図表4 214914-4.gif
カテゴリ ふき

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