タイトル |
DVR解析プログラム「2DIMNON」を利用したカーネーションの開花予測 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
カーネーション'フランセスコ'を用いて、気温と日長の2つの環境要因から開花期の気象的予測モデルを導いた。このモデルの適合性から判断して、作期をある程度限定し、育苗など栽培方法に相違がなければ、開花期の予測は可能である。
|
背景・ねらい |
カーネーションは、需給のバランスが崩れ易く価格が大きく変動するので、目標の時期に合わせて開花させる技術の開発が望まれている。そこで、開花の予測・診断に基づいた環境制御による計画的生産の実現を目標に、開花予測の可能性について検討する。
|
成果の内容・特徴 |
- カーネーションの栽培は短期栽培を前提とし、開花の予測には水稲で実用化されている生育診断技術を利用する。ノンパラメトリック法DVR解析プログラム「2DIMNON」により、環境要因に基づく発育速度(DevelopmentalRate,DVR)関数を作成し、それらの積算によって発育指数(DevelopmentalIndex,DVI)を予測する。
- 解析する環境要因は気温と日長とし、気温は温室の温度を1時間ごとに1日24回測定し、その平均をその日の平均気温とする。日長は天文日長を用いる。なお、摘心時のDVIを0、開花時のそれを1と定め、開花期の気象的予測モデルを導く。
- 環境変化に応じた発育の進行を把握するため、1年間に渡って開花期の異なる作期試験を実施したところ、8月及び4月に摘心する作期では開花の予測誤差が7日以上となった。これは、日射量など解析した以外の気象要因の季節的変動の影響によるものと推察される。
- 開花期が5月になる作期に対し、図1に示す予測モデルを導いた。最低温度が異なる条件であっても予測モデルは適用可能で、予測範囲を5月開花に限定することによって、予測の高精度化を図ることができる(表1)。
- 得られたDVR関数では、育苗方法の異なる苗に対しては実際の開花日と予測とのズレが大きくなるので、育苗方法がDVR関数算出時と同一のものに適用する(表2、図2)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 作期をある程度限定し、同じ条件の育苗方法及び栽培管理を行えば、開花の予測は可能である。
- 生育途中でDVIによる生育診断を行い、その診断に基づいて暖房機を利用した温度操作を行えば、開花期は目標とする時期まで前進できる。具体的方法は、図2のDVI値と比較してそれが小であれば暖房温度を上げ、大であれば暖房温度を下げる。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
育苗
カーネーション
環境制御
栽培技術
水稲
生育診断技術
|