タイトル |
自園共販型経営におけるレール走行式茶園管理装置の導入効果 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
レール走行式茶園管理装置は可搬型と比較し、作業精度及び作業能率が優り、年間労働時間の短縮効果や荒茶価格の向上を図ることができる。また、レール走行式機械を用いた栽培体系モデルを導入することにより、経営規模の拡大(12%拡大)やそれに伴う農業所得の向上(30%)が期待できる。
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背景・ねらい |
山間傾斜地茶園は、立地条件が厳しく、労働生産性と土地生産性が低い。さらに、これらの地域では、生産者の高齢化や後継者不足等により、労働力確保も困難である。 そこで、1人作業が可能で作業の軽減効果が期待されるレール走行式機械の作業性、作業精度を明らかにするとともに、導入が可能な圃場条件や導入によりもたらされる経済性等について、特に自園共販型経営において検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 摘採、整枝、防除における10a当たりの作業精度は、レール走行式(半うね型)の方が可搬型より優れる。また、レール走行式機械は、傾斜度18度の横うね茶園においても稼働が可能である。作業精度は、摘採及び整枝では、レール走行式は可搬型より優り、防除についてはレール走行式は可搬型とほぼ同等の作業精度である。
- レール走行式機械導入に伴う施肥位置の変更は、土壌中の養分分布が異なるものの、生葉の収量及び品質には大きな影響を与えない。
- 場内圃場において機械化栽培体系の実証を行ったところ、レール走行式機械導入茶園で摘採された一番茶の荒茶価格は、古葉・木茎混入率の低下等による品質向上が認められ、可搬型で摘採された荒茶価格より上回った。
- 自園共販方式の経営モデルの解析から、同方式で家族労働力(3人)、機械1セットで経営可能な面積及び農業所得は、レール走行式では266a、791万円であり、可搬型では238a、609万円である。
- 上記方式による茶園面積別の経営モデルを作成し、農業所得の試算を行ったところ、茶園面積50aまでは可搬型の方が収益性は高い。しかし、1haモデル以上では、レール走行式の方が高くなり、経営規模の拡大により、所得が向上すると試算される。
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成果の活用面・留意点 |
- 山間傾斜地茶園の機械化栽培を進めるための指導上の参考とする。
- 小規模茶園において、レール走行式管理装置の導入を図る際には、機械の共同所有等を考慮に入れた方が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
病害虫
機械化
経営管理
経営モデル
傾斜地
栽培体系
施肥
茶
防除
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