桑葉の需給調整組織による安定供給方策

タイトル 桑葉の需給調整組織による安定供給方策
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 1993~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 養蚕農家へ桑葉の安定的供給を図るには、未利用桑園等の地域の遊休養蚕資源の所有者と養蚕農家間を調整する組織が必要である。さらに、需給調整組織に桑園の管理・収穫のためのオペレータ集団を組織した桑葉供給安定方策を考察した。
背景・ねらい 養蚕の担い手の高齢化、繭価格の低迷による養蚕の縮小過程の中で未利用桑園等は増大の一途である。一方、中核的養蚕農家では、桑葉不足が繭生産規模拡大の制限要因になっており、必要な蚕期に対応した桑葉量を安定的に確保するための方策を必要としている。このように養蚕地域では、養蚕資源の遊休化が進展する一方で、経営規模拡大のため遊休資源の活用を望む養蚕農家の存在がある。これらを結合させる組織の機能として養蚕資源、特に未利用桑園を活用した桑葉の安定供給方策を解明する。
成果の内容・特徴 1.桑葉の安定供給のため、未利用桑園の提供者(所有者)と利用者(養蚕農家)間の桑葉活用時期、桑園面積、桑葉量、桑園の収穫・管理主体等の調整を行う組織(以下、「需給調整組織」と呼ぶ)があり、この需給調整組織を通じて桑葉が売買を中心とした形態で養蚕農家へ供給されている。需給調整組織は、未利用桑園をはじめとする地域養蚕資源の情報を一元化し地域養蚕資源のアンバランスを解消し、養蚕農家へ提供することにより養蚕資源の適正利用を推進している。2.これまで需給調整組織は、提供者が桑園耕作者として管理・収穫を担うことにより、養蚕農家への桑葉の供給と未利用農地の保全を担っていた。しかし、近年は、提供者の高齢化のため役割を果たすことが不十分となり、桑園の管理・収穫の主体について需給調整組織が両者間を調整することが必要である。こうした需給調整組織による桑園の管理・収穫主体の調整が桑葉の供給安定システムを実現するための重要な機能である。3.未利用桑園提供者の高齢化等の労働力事情の悪化や利用者の労働力不足により管理・収穫の主体の調整に限界が生じている。今後は、管理・収穫を需給調整組織が行うあるいは需給調整組織が中心となり、桑園の管理・収穫のためのオペレータ集団を組織し委託するという形態による桑葉の安定供給が必要である。4.桑園の管理・収穫を行うオペレータ集団の組織化のためには、未利用桑園の再生に止まらず、桑園の基盤整備、密植桑園、機械収穫、機械化一貫管理等による高能率桑園へ転換を図る必要がある。5.桑葉価格は、管理・収穫オペレータ集団による桑葉の再生産が可能な価格に設定される必要があるが、利用者に安価な価格で桑葉を提供するためには、桑葉価格補助のための行政支援が重要である。
成果の活用面・留意点 未利用桑園の利用方策の1つとして活用できる。
図表1 214965-1.gif
カテゴリ カイコ 規模拡大 経営管理 収穫機

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