タイトル |
太陽熱消毒によるカラー疫病の防除 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
薬剤による防除が困難な水生カラーの疫病菌に対し、太陽熱消毒は、罹病根などの被害残さ中に残った卵胞子のほとんどを死滅させ、品種や球根の更新等の植替時に、汚染圃場の菌密度を低下させるのに有効である。
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背景・ねらい |
愛知県立田村早尾地区では、水田で簡易な連棟ビニールハウスを利用した水生カラー栽培を行っている。低湿地帯で地下水位も高く、用水の掛け流し栽培のため、疫病や軟腐病が地区全体に蔓延し、有効な防除対策が求められている。そこで、耐病性品種の導入と併せて夏期の高温を利用した太陽熱消毒による防除防除法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 太陽熱消毒は、株を堀上げたほ場に石灰窒素を200kg/10a施用し、耕起した後、ビニールをべた掛けし、梅雨明け後の7月下旬からサイドをビニールで密閉し、1か月程度蒸しこみを行ない、ハウス内温度を55℃以上、地下5cmの地温を45℃以上、同30cmを35℃以上に上昇させる(図1)。
- 太陽熱消毒開始前の土壌からは、カラー疫病菌が高率(97.4%)で分離されるが、処理終了時の土壌からは全く分離されない(表1)。地下30cmの土壌に埋め込んだ卵胞子を多数含んだ罹病根からはわずかに(1.9%)菌が分離されるが、これより浅い土壌に埋め込んだ罹病根からは全く菌が分離されない(表1)。
- 植付約2か月の調査でも、耐病性品種 'ウエディングマーチ' 植付区で、処理0.4%、無処理2.2%、罹病性品種 'チルドシアーナ' 区で処理0%、無処理3.3%と処理区からは、ほとんど菌が分離されず、品種による差も小さい(表1)。
- 室内実験で温度と処理時間について検討したところ、遊走子は35℃5時間以上で死滅し(表2)、卵胞子も40℃15時間以上で死滅する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
太陽熱消毒は疫病と除草に対する効果は期待できるが、軟腐病に対する効果は不十分である。植替時に塊茎の消毒を行うと病原菌の持ち込みが防げる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
カラー
除草
水田
耐病性品種
品種
防除
薬剤
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