タイトル |
ミカンキイロアザミウマの発育期間と産卵数 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
ミカンキイロアザミウマの発育ゼロ点は9.5℃、卵から成虫までの有効積算温度は194日度である。15~30℃では成虫は1~3カ月生存し、200~250卵を産卵する。25℃における内的自然増加率は0.144/♀/日である。
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背景・ねらい |
本種は本県では平成4年に発生が確認され、キク、ガーベラ、バラ等の花き類、イチゴ及びハウスミカンで被害が発生している。欧米では野菜及び花き類の重要害虫であるが、わが国における知見は少なく、本種の特性を明らかにする必要がある。そこで、本種の発育期間、成虫生存期間及び 産卵数の個生態を解明し、本種の基礎的な特性を明らかにし、防除対策の基礎資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- 発育期間は温度が高くなるに従い短くなり、卵から成虫までの発育期間は、15,20,25,30℃で各々34.2,19.2,12.1,9.5日であった(表1)。
- 15~30℃までの羽化率は74~78%とほぼ等しいが、35℃では23%と低かった(表1)。
- 15~30℃の発育速度(発育期間の逆数)と温度の関係から、発育ゼロ点は卵では9.2℃、幼虫では8.9℃、蛹では10.4℃と考えられ、卵から羽化までの有効積算温度は194日度である(表2)。
- 雌成虫の生存期間は、温度が高くなるに従い短くなるが、総産卵数は温度の違いによる差はみられず、平均で180~250卵程度である(表3)。
- 県西部地域の平均気温を基に有効積算温度を試算すると、本種は露地では3月下旬から11月下旬まで13世代を繰り返すと考えられる。
- 性比(雌の割合)を70%、ふ化率を90%とすると、25℃における本種の内的自然増加率(r)は0.144/♀/日であり、1カ月では77.4倍に増加することになる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本種はミナミキイロアザミウマやヒラズハナアザミウマとほぼ同等に増殖力が高いと考えられ、低密度の時から防除する必要がある。
- 休眠性を持たないと予測され、施設内では冬期にも増殖すると考えられる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
ガーベラ
害虫
きく
ばら
ヒラズハナアザミウマ
防除
ミナミキイロアザミウマ
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