タイトル |
バラロックウール栽培における重炭酸カリ添加によるpH安定化 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
バラロックウール栽培では、重炭酸濃度の低い原水を用いる場合、マット内養液中のpHは変動が激しく不安定である。特に、pHの低下が著しい場合、対策として重炭酸カリを添加して緩衝能を高め、pHの安定維持を図る。
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背景・ねらい |
バラのロックウール栽培は全国の各産地で順調に伸びているが、培養液管理上の問題点の一つにpH管理の難しさがある。マット内のpH上昇の著しい事例がみられる一方で、逆に、培養液の緩衝能が低いため、pH変動が大きく、特にpHが著しく低下する事例が増えているため、適正pHに安定維持する方法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- バラのロックウール栽培においては、マット内の培養液の陽イオン・陰イオンのバランスが乱れやすく、pH上昇の著しい事例と著しく低下する事例がみられる(図1)。陰イオンのうち硝酸イオンが集積しやすいため、pHの著しい低下を招く。
- pHの著しく低下した培養液(4.0以下)ほど重炭酸カリを多く必要とする(図2)。
- pHの著しく低下したロックウールマットに重炭酸カリをたん液処理する場合は(図3)、マットのpHは容易に補正できるが、20~25日で再び低下するため、重炭酸カリの添加を定期的に繰り返す必要がある。
- 原水の重炭酸濃度が低く、pHが著しく低下した場合、マットを除塩(あらい)し、原水に重炭酸カリを添加し(定量ポンプを利用)、重炭酸の濃度を40ppmとすることで緩衝能を高め、マット内のpHを安定させる(表1)。
- 以上、pHを安定(4.5~6.0)させるには、原水の重炭酸濃度に応じてアンモニア態窒素の施用比率を決め、特に重炭酸濃度の低い(20ppm以下)原水を用いる場合は重炭酸カリを添加して緩衝能を高め、適正な培養液管理を行う。
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成果の活用面・留意点 |
- 地下水・用水の重炭酸濃度の測定は、pH4.5になるまで(0.01NH2SO4)を加えて測る(BICARBONATE法、0.01NH2SO4滴定量Am1×6.1で重炭酸濃度が測定できる)。
- pH管理の指標とするため、pH、ECだけでなく、マット内培養液のイオン組成・バランスも診断する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
ばら
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