早期コシヒカリ栽培における良食味米生産のための土壌型別窒素施肥法

タイトル 早期コシヒカリ栽培における良食味米生産のための土壌型別窒素施肥法
担当機関 茨城県農業総合センター農業研究所
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 コシヒカリを倒伏されることなく540kg/10a以上の収量を確保し,食味関連成分である白米中の粗タンパク含量を 6.9%以下に抑える適正な基肥窒素量は,10a当たり多湿黒ボク土では5kg,中粗粒灰色低地土,中粗粒グライ土および泥炭土では4kg,細粒グライ土では3kgとする。穂肥は土壌型に関係なく,出穂15~20日前に10a当たり2kgを1回施用する。
背景・ねらい 米の産地間競争は,消費者の良食味米嗜好と新食糧法の施行に伴って,ますます激化することが予想される。このため,生産現場では早急に良食味米生産のための栽培法の確立が望まれている。そこで,茨城県における主要品種であるコシヒカリの,食味を向上させるための土壌型別窒素施肥法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 良食味米(コシヒカリ)生産のための施肥基準値を策定するに当たって,次の3つの目標値を設定した。(1)収量 540kg/10a以上,(2)白米中の粗タンパク含量6.9%以下,(3)倒伏程度3以下
  2. 上記の目標値を満たす水稲の窒素吸収量は,幼穂形成期では5.5~5.9kg/10a,成熟期では11.5~11.9kg/10aであった。この場合,幼穂形成期の生育量は草丈,72~76cm,茎数,480~510本/m2,葉色(葉緑素計),30~32であった(図1)。
  3. 施肥と収量,粗タンパク含量および倒伏程度の関係から,コシヒカリの最適な基肥窒素量は,多湿黒ボク土では5kg/10a,中粗粒灰色低地土,中粗粒グライ土および泥炭土では4kg/10a,細粒グライ土では3kg/10aであった(表1)。
  4. 穂肥窒素量は,従来の基準量3kg/10aでは生育後期の窒素吸収量が増加し,粗タンパク含量が6.9 %を越えるため,出穂20~15日前に2kg/10aの施用が最適であった(表1および図2)。
成果の活用面・留意点 早期・早植栽培をする稲作地帯で,生わらを連年土壌還元してきた圃場に適用する。また,田畑輪換圃場ではこの施肥基準は適用できない。
図表1 215016-1.gif
図表2 215016-2.gif
図表3 215016-3.gif
カテゴリ 肥料 施肥 品種 良食味

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