還元型ビタミンCの簡易測定法によるブロッコリーの品質診断

タイトル 還元型ビタミンCの簡易測定法によるブロッコリーの品質診断
担当機関 埼玉県園芸試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 ブロッコリーにおいて、小型反射式光度計システムを用いた還元型ビタミンCの簡易測定法の実用性が明らかとなり、その手法を用いて県産と外国産のブロッコリーの品質比較を行った結果、県産の優位性を示すことができた。
背景・ねらい 本県におけるブロッコリーの生産量は、全国的にみても高い地位を占めているが、ここ数年、保存技術の進歩、安い生産コストなどにより、低価格の外国産野菜の販売が増加し、県内の産地を脅かしている。
一方、野菜に対する消費者の志向は多様化し、外観だけではなく鮮度や栄養価などの内部品質の高いものを求める傾向が強まっている。
そこで、ブロッコリーの品質評価として小型反射式光度計システムを用いたビタミンC(還元型)の簡易測定法の実用性を検討し、また、県内産並びに外国産ブロッコリーの品質実態の把握及び貯蔵条件と品質との関係を調べ、県内産野菜の内部品質の優位性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 抽出はブロッコリーの花らい部分を細断し、一定量(10g程度)に10%メタリン酸を加えホモジナイズ後、最終濃度5%とし、ろ液を測定に用いる。還元型ビタミンCの簡易測定法として、本法を用いると、ろ液に試験紙を浸し15秒後に測定ができ、従来法(ヒドラジン比色法)とほぼ同等の測定結果が得られた。
    現場で用いる測定法として、簡便、迅速な品質評価の一手法となり得る(図1)。
  2. 貯蔵温度が高いほどブロッコリーの還元型ビタミンCの減少は速く、減耗率も高かった。0℃で貯蔵した場合は、ビタミンCの減少は3週間後でもほとんどみられず、貯蔵条件によりかなりの期間、品質維持が可能である(図2、図3)。
  3. 0℃で3週間貯蔵後、室温(10℃)においたブロッコリーは、収穫(12月収穫)後すぐに室温においたブロッコリーに比べてビタミンCの減少が大きく、貯蔵終了後の管理が品質に影響すると推察される(表1)。
  4. 外国産ブロッコリーと県内産ブロッコリーの還元型ビタミンC含量を比較すると、県内産は外国産より50%程度多く、外観上は大きな差がみられない場合でも、内部品質では県内産の優位性が示された(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 抽出操作のみで測定ができるので、普及センターなどでも簡便、迅速な測定ができる。
  2. 内部品質の診断法として用いることにより、市場競争において優位性を示すことができる。
図表1 215019-1.gif
図表2 215019-2.gif
図表3 215019-3.gif
図表4 215019-4.gif
図表5 215019-5.gif
カテゴリ 肥料 簡易測定 コスト ブロッコリー

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