小麦作における被覆尿素を用いた全量基肥施肥法

タイトル 小麦作における被覆尿素を用いた全量基肥施肥法
担当機関 長野県農事試験場
研究期間 1991~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 小麦に対する被覆尿素を用いた全量基肥栽培は,比較的溶出が早い(40日タイプ)のものを70%程度含有する肥料を用いることによって、慣行栽培と同等以上の収量・品質を得ることができ、省力・高品質化技術として有望である。
背景・ねらい 最近、小麦作においては、生産意欲の減退と、水稲作との労力競合等により、追肥が行われない場合が多く見受けられ、本県における小麦作の低収・低品質要因の一つとなっていると考えられる。
そこで、小麦作において省力・高品質化を図るため、被覆尿素を用いた全量基肥施肥法について検討した。
成果の内容・特徴 水田転換畑(須坂市・中粗粒グライ土)での小麦(平3~5:シラネコムギ、平6年:しゅんよう)のドリル播き栽培において、全量基肥施肥の効果を、40~100日の緩効度を持つ被覆尿素4資材を用い、慣行施肥(基肥N7kg/10a、最高分けつ期N3kg/10a+止葉展開期N2kg/10aの2回の追肥、計N12kg/10a)と比較した。基肥は、作条に間土施肥した。
  1. 60~100日タイプ(被覆尿素C、D)は溶出が遅く生育量が確保できず減収するが、40日タイプ(被覆尿素A,B)は安定した収量が得られる。(図1)
  2. 全量基肥施肥により、粗蛋白含有率、千粒重が高まる傾向が認められ、高品質化が図られる。(図2)
  3. 窒素吸収量は、止葉展開期(4/下)においては、明らかに全量基肥区が多いが、成熟期では、同等か全量基肥区がやや多い。(図3)
成果の活用面・留意点
  1. 被覆尿素が土壌表面にあると溶出が安定しないので、被覆尿素が土壌表面に出ないよう土中に施肥する。(現在、専用施肥播種機を開発中)
  2. 施肥量は、慣行と同量とする。
  3. 40日タイプの被覆尿素をT-Nの70%程度含有する肥料を用いる。
図表1 215022-1.gif
図表2 215022-2.gif
図表3 215022-3.gif
図表4 215022-4.gif
カテゴリ 肥料 小麦 水田 水稲 施肥 播種

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