小型反射式光度計システムによるトマトの葉柄汁液中硝酸態窒素の簡易分析法

タイトル 小型反射式光度計システムによるトマトの葉柄汁液中硝酸態窒素の簡易分析法
担当機関 三重県農業技術センター
研究期間 1995~1998
研究担当者
発行年度 1995
要約 トマトの葉柄汁液中の硝酸態窒素濃度の測定による栄養診断には、小型反射式光度計システムが、現場での簡易分析法として利用できる。診断に用いる葉柄は、硝酸態窒素濃度が葉位によって異なり、個体差も大きいため、生育中庸な個体10~15株の葉柄について同一葉位での分析が必要である。
背景・ねらい トマト生産現場での施肥量は、基肥窒素量は土壌診断により施用されているが、追肥については具体的な施用量決定の基礎がなく、多肥傾向にある。また、基肥が局所的に施用されることが多いため、土壌診断による施用量決定が難しい。そこで、生育期間中のトマトの栄養状態を把握し、追肥量決定の基礎とするため、葉柄汁液中の硝酸態窒素濃度を生産現場で簡易、迅速に測定する方法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. トマトの葉柄汁液中の硝酸態窒素濃度を簡易・迅速に測定するため、小型反射式光度計システム(硝酸試験紙を用いた反射型比色計)について検討した。本法は、葉柄をニンニク絞り器で搾汁し、得られた汁液を100倍程度に希釈して分析を行うが、イオンクロマト法との相関が高く、現場での簡易分析法としての利用が可能である(図1)。
  2. 葉柄汁液の硝酸態窒素濃度は、葉位によって異なり、上位葉ほど低くなる傾向が認められる(図2)。
  3. 葉柄汁液中硝酸態窒素濃度は、同一葉位でも個体間差が大きく、変動係数は20~25%程度である(図3)。
  4. 診断に必要なサンプル数としては、生育中庸な個体10~15株から葉柄をサンプリングすれば、信頼度95%、精度14%以下での推定が可能である
    (表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 診断に用いる葉柄は、未熟果(ピンポン玉肥大果)から緑熟果の果房付近の葉柄が好ましい。
  2. 小型反射式光度計システムの硝酸試験紙は、高濃度の検体ではやや低めの値となるため、硝酸試験紙の「測定範囲5~225mg/L」の場合には40~
    120mg/L程度、「測定範囲3~90mg/L」の場合には20~50mg/L程度となるように希釈して測定を行うようにする。
図表1 215023-1.gif
図表2 215023-2.gif
図表3 215023-3.gif
図表4 215023-4.gif
カテゴリ 肥料 栄養診断 施肥 土壌診断 トマト にんにく

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