豚ぷんペレット堆肥の畑土壌条件での肥効特性

タイトル 豚ぷんペレット堆肥の畑土壌条件での肥効特性
担当機関 三重県農業技術センター
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 エキストルーダーで成型した豚ぷんペレット堆肥は、畑土壌条件においてペレットの崩壊が緩やかであり、その肥効特性については、原料堆肥に比べて硝酸化成及び塩基類の溶出が抑制される。
背景・ねらい 豚ぷん堆肥をペレット状に成型した場合、従来の堆肥と肥効が異なることが予想されるが、関連データは少ない。そこで、ペレット堆肥の畑作物に対する利用法確立のための基礎資料とするため、副資材無添加の豚ぷん堆肥を原料とするペレット堆肥について、圃場埋設法とガラス濾過器を用いたインキュベート法により、土壌中での分解及び肥効に及ぼす影響について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 露地畑土壌中(深さ15cm)に埋設したペレット堆肥の分解は、原料堆肥に比べて緩やかであり、特に埋設後1ヶ月以内の急激な分解が抑制される(図1)。
  2. ペレット堆肥の土壌中での分解過程を比較するとエキストルーダーで作成したペレットでは、形状の崩壊はほとんど認められず、形状を維持したまま周囲から均等に分解が進むのに対し、ディスクペレッターで作られたペレットは、形状の崩壊が急速に進む。(表1)
  3. 原料堆肥では、施肥直後の潅水によってカリウムが多量に溶脱するのに対し、ペレット堆肥では溶脱が抑制される。また、無機態窒素溶脱量に占める硝酸態窒素の割合がおおむね50%を超えると二価のカルシウム及びマグネシウムの溶脱量が急増する(図2、図3)。
  4. 成型によって原料堆肥での急激な硝化が抑制されるとともに無機化率は高くなる。なお、ペレットの直径が大きいほど硝化抑制効果は高くなる(図3)。
  5. 以上の結果、ペレット堆肥は土壌中で形状を維持したまま緩やかに分解し、内部が嫌気的状態を保つため、原料堆肥に比べ硝化が抑制され、硝化に伴う二価のカチオンの溶脱が抑制されるものと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 縦型密閉式発酵装置で堆肥化された副資材無添加の原料堆肥をペレットに成型した場合の結果であり、堆肥化方式及び副資材が異なる場合はその都度検討を要す。
図表1 215024-1.gif
図表2 215024-2.gif
図表3 215024-3.gif
図表4 215024-4.gif
カテゴリ 施肥

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