人工酸性雨の負荷による土壌化学性の変化

タイトル 人工酸性雨の負荷による土壌化学性の変化
担当機関 群馬県農業試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1995
要約 希硫酸溶液の人工酸性雨を5年間にわたり土壌に負荷した。土壌pHは、塩基飽和度の減少だけでなく電気伝導度の影響も受けていた。交換性塩基減少量を上回る塩基が流出し、鉱物からの塩基供給のあることがうかがえた。
背景・ねらい 人工酸性雨よる土壌化学性変化を5年間継続して調べ、酸負荷との関係を定量的に把握する。
成果の内容・特徴
  1. 土壌pHは人工酸性雨散布前より散布後で高く(図1)、塩基飽和度だけでなく電気伝導度も関係した重回帰式で示せた(表2)。
  2. 負荷した硫酸の1/8から1/3が土壌に吸着し、残りが流出した。流出液には土壌有機物分解によると判断される硝酸が流出し、硫酸負荷量より1~2me/100g程度多い陰(SO4>NO3>HCO3≧Cl)陽(Ca>Mg>Na≧K)イオンが流出しており、硝酸を含めて酸負荷量とするのが妥当であった。
  3. 土壌の交換性塩基保持量の経年変化(図2)は、各年度とも次年度の人工酸性雨散布前で前年度の散布後より高くなり、土壌の保存中に交換性塩基保持量の回復が観察された。
    土壌の交換性塩基減少量と流出塩基量の関係(図3)は、塩基保持量の多い土壌の酸負荷量の少ない処理では両者はほぼ流出塩基量と等しくなったが、交換性塩基保持量の少ない土壌や酸負荷の多い処理では流出塩基量が交換性塩基減少量よりも多くなった。
    これらの結果は、土壌鉱物からの塩基の供給を示唆していると考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 酸負荷による土壌の変化を解析する場合の資料となる。
図表1 215026-1.gif
図表2 215026-2.gif
図表3 215026-3.gif
図表4 215026-4.gif
図表5 215026-5.gif
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