タイトル |
土壌窒素無機化量の推定に基づく小麦の窒素施肥法 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1997 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
可給態窒素又はりん酸緩衝液抽出窒素により小麦栽培期間中の土壌窒素無機化量を簡易に予測し、目標収量の窒素吸収量から窒素施用量を診断できる。
|
背景・ねらい |
小麦作付土壌から発現する窒素量は、土壌を長期間室内培養し速度論的解析を行うことにより、気温をファクターとしてほぼ予測できる。この手法を基にして、より簡易に土壌窒素無機化量を診断することを検討する。
|
成果の内容・特徴 |
- 供試した土壌の小麦栽培期間中に発現する土壌窒素無機化量は、可給態窒素と高い相関が認められ(r=0.804)、可給態窒素による土壌窒素無機化量の推定式(y=1.0185X-0.185)を得た。
- 同様に、りん酸緩衝液抽出窒素も小麦栽培期間中の土壌窒素無機化量と高い相関が認められ(r=0.702)、同液抽出窒素による土壌窒素無機化量の推定式(y=0.9817X+0.7609)を得た。
- 小麦子実収量と窒素吸収量は非常に高く関連づけられ(回帰式のr=0.990)、収量に対する窒素吸収量の推定式(y=274.5logeX-145.17)を得た)。
- 1又は2と、3により、目標収量に必要な窒素吸収量及び栽培期間中の土壌窒素無機化量が得られ、目標収量・土壌診断に基づく合理的な窒素施用量の診断ができる。
- 1、2の推定式は、気温をファクターとした速度論的解析による土壌窒素無機化量を対象としているため、栽培期間中の気温を自由に変化させて土壌窒素無機化量の推定を行うことができる。
- 播種前に比較的簡易に土壌窒素無機化量の診断が可能である。また、栽培期間中の特定の期間(例:追肥期以降の窒素無機化量)での土壌窒素無機化の推定も行うことができる。
|
成果の活用面・留意点 |
- 窒素利用率は農試圃場では0.5~0.7の範囲にあったが、圃場により異なる。作土深、仮比重も実際の圃場に合わせる必要がある。
- 可給態窒素、りん酸緩衝液抽出窒素の診断は、生土(窒素発現予測を行おうとする土壌水分状態)で行う。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
小麦
施肥
土壌診断
播種
|