タイトル |
密閉型発酵槽を用いたオカラの迅速堆肥化法 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
オカラ(豆腐粕)は水分が80%程度あり、そのままでは堆肥化が困難と考えられていたが、密閉型の縦型発酵槽を用いることにより、オカラ単独で堆肥を製造することが可能であった。通気装置の付いた縦型発酵槽による10日間の一次発酵と、箱形発酵槽による60日の二次発酵で肥料効果の高い良好な堆肥が製造できた。
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背景・ねらい |
環境保全型農業推進のためには良質の有機質の確保は欠かせないが、有機質の生産地は局在し、都市近郊農業地域においては有機資源が不足しているところがある。有機資源の活用は地域で生産される有機資源を活用することが望ましく、都市近郊では都市廃棄物の有効利用技術開発が必要である。このため、食品廃棄物として処理に困っているオカラ(豆腐粕)を堆肥化し、農業利用する技術開発が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- オカラの平均含水率は79.2%であり、堆肥化するためには水分が多すぎ、単独での堆肥化は困難と考えられていたが、オカラだけで良質の堆肥を生産する技術を確立した。
- 発酵装置は、強制通気装置の付いた1,200L容の密閉型(縦型)発酵槽を用いた。原料は、オカラ4に対し1の割合(重量比)で一次発酵を終えた堆肥(リターン)と二次発酵を終えた堆肥(乾燥堆肥)を混合し、毎日150kg投入すると、6時間後には70℃に達し、7~10日で一次発酵が完了した。(図1)
- 一次発酵物は含水率が71.7%と高いが、通気装置の付いた箱形発酵槽により60日間二次発酵を行うと、含水率は35.8%に低下し、良好な堆肥になった。二次発酵を終えた製品は、乾物含量で窒素3.6%、リン酸
- 4%、カリ4.0%であり、肥料成分の高い堆肥となった。(表1)
- 一次発酵で約50%の有機物が分解し、二次発酵でさらに50%の有機物が分解するため、最終的には74%の有機物が分解することになり、1,000
kgのオカラから101kg(水分36%)しか生産されない。この間に 855kgの水と285kgの二酸化炭素が放出されるが、この約半分は有機物分解に由来して発生する。窒素は7.1kgが揮散し、悪臭が発生するため脱臭装置の設置が不可欠となる。(図2)
- 二次発酵を終えた堆肥をトマト育苗に使用した結果、容積比で15~20%混合すればわずかにリン酸を補給するだけで良好な生育を示し、有機肥料として利用可能であった。(図3)
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成果の活用面・留意点 |
- 本方法ではオカラだけで堆肥化が可能であるが、通気装置の付いた密閉型の縦型発酵槽の使用により可能な方法であり、一般の堆積方法では発酵がうまくゆかない。
- 発酵中にアンモニアの揮散が著しいため、悪臭が発生する。このため密閉型発酵槽を用い、脱臭装置を設置することが必要である。
- 堆肥は肥料効果が高いため、有機肥料またはボカシの原料として使用することが好ましく、堆肥として使用するときは施用量に注意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
育苗
乾燥
トマト
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