オカラ・コーヒー粕混合による良質堆肥製造法

タイトル オカラ・コーヒー粕混合による良質堆肥製造法
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 オカラにコーヒー粕を容積で等量混合すると、悪臭が発生せず良好な条件で堆肥化が可能となった。また出来上がった製品は肥料バランスが良く、コーヒー粕による作物根障害の影響もなく、良質の堆肥の製造が可能となった。
背景・ねらい 環境保全型農業推進のために有機性廃棄物の堆肥化技術を検討するなかで、オカラとコーヒー粕について単独の堆肥化試験を行った結果、オカラは堆肥化過程に窒素が揮散し悪臭が発生すること、コーヒー粕は製品に植物根生育阻害物質を含む欠点がみられた。そのため、オカラとコーヒー粕を混合して堆肥化することにより両者の欠点を補いあった良質の堆肥を製造することを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 腐りやすいオカラと腐りにくいコーヒー粕という異なる性質を持った廃棄物を組み合わせて、良質の堆肥を製造する技術を確立した。
  2. 発酵装置は、強制通気装置の付いた1,200L容の密閉型(縦型)発酵槽を用いた。原料は容積比でオカラ1にコーヒー粕と一次発酵物(リターン)を1の割合で混合し、毎日145kg投入すると発熱が著しく、3時間後には70℃に達し、約10日で一次発酵が完了した。この間に悪臭の発生は全くなく、コーヒー粕に脱臭効果があることがうかがえた。(図1)
  3. 一次発酵を終えたものは含水率が65%と高いため、通風装置の付いた箱形発酵槽により90日間二次発酵を行うと含水率は35%に低下し、良好な堆肥になった。二次発酵を終えた製品は、乾物含量で窒素5.5%、リン酸1.2%、カリ1.5%であった。(表1)
  4. 一次発酵で約30%の有機物が分解し、最終的には61%の有機物が分解した。その結果、原料混合物1,000kgから179kg(水分35%)の堆肥が生産された。この間に、745kgの水と266kgの二酸化炭素、2.7kgの窒素が放出されたが、悪臭はほとんど発生しなかった。(図2)
  5. 二次発酵を終えた製品をコマツナ栽培及びトマト育苗に使用した結果、コーヒー粕のもつ作物生育阻害がみられず、作物は良好な生育をした。(表2)
成果の活用面・留意点
  1. オカラとコーヒ粕の組み合わせは、通気装置の付いた密閉型発酵槽の使用だけでなく、一般の堆積方法でも堆肥化が可能であるが、オカラが塊にならないように頻繁な切り返しが必要である。
  2. 良好な発酵であれば、発酵中にほとんど悪臭は発生しないが、水分過剰等で発酵状態が悪くなると悪臭が発生する。
  3. 本成果の実用化にあたっては、零細企業が多く腐敗が速いオカラの生産場所に近いところにプラントを設置し、腐りにくく遠距離輸送の効くコーヒー粕を運搬してくるシステムが好ましい。また、プラントの設置にあたっては脱臭装置を付けることが好ましい。
図表1 215030-1.gif
図表2 215030-2.gif
図表3 215030-3.gif
図表4 215030-4.gif
カテゴリ 肥料 育苗 こまつな トマト 輸送

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