タイトル |
産業用無人ヘリコプターを利用した水稲湛水土壌中直播栽培の作業体系 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
湛水土壌中直播栽培における播種、除草剤散布、防除等の作業に産業用無人ヘリプターを利用して省力化を図る。産業用無人ヘリコプターの作業能率は、播種作業で1.3時間/ha、1kg剤散布作業は0.3時間/haである。延作業時間は88.3時間/haと極めて省力的な作業体系となった。
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背景・ねらい |
米の輸入自由化、新食糧法の施行や農村における担い手不足、高齢化等を背景に稲作の省 力・低コスト栽培技術の開発が要望され、直播栽培への関心が高まっている。規模のメリットを活かして低コスト化を図るためには省力化がなされなければならない。栽培技術としては、ほぼできあがりつつある湛水土壌中直播栽培であるが、播種は背負式動力散布機を利用しているところが多い。そこで、産業用無人ヘリコプター(以下RCヘリと称する)を導入して省力的な作業体系を確立しようとする。
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成果の内容・特徴 |
- RCヘリの作業は、オペレータとナビゲータ、資材補給時補助作業員の3人1組で行われる。有効散布幅は5m、飛行高度は3~4mを目安に約100mの有効誘導範囲内で操縦される。なお、補給は、RCヘリを補給地点まで移動し着陸、プロペラ停止後に積載量が10kgを越えない範囲で補助作業員が行う。
- RCヘリの作業能率は、播種作業ではha当たり1.3時間、3kg剤散布作業は0.5時間、1kg剤散布作業は0.3時間、2kg剤散布作業では0.4時間で作業を行うことができた。(表1)
- RCヘリの資材積載量は最大10kgであり、1回の補給で作業が行える面積は、播種作業(播種量4kg/10a設定)では7.6a、3kg剤散布では33.3a、1kg剤では100aである。また、液剤散布では微少量散布用薬剤(8L/ha)を使用することで100aが可能となる。
- 延作業時間は88.3時間/haとなり、移植栽培(平5県平均316時間/ha)よりも72%短縮できた。(表2)
- 全刈収量(品種:コシヒカリ)は419kg/10aで、移植栽培(試験圃場周辺の収量480kg/10a)より約60kgの減収であった。(表3)
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成果の活用面・留意点 |
- 湛水土壌中直播の栽培法は、耕種基準に準じる。
- RCヘリの作業は、風速3.0m/s以下の時に行う。
- 農薬類は、RCヘリ散布で登録されているものを使用する。
- 耐倒伏性の強い品種を使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
直播栽培
省力化
除草剤
水稲
低コスト
農薬
播種
品種
防除
薬剤
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